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そごう問題の代償
「山崎拓の時々刻々」 2000年7月15日 第9号
そごう問題は、そごうグループが民事再生法による再建型倒産手続きをとることを決断し一段落した。もし国の債権放棄を含んだ自主再建を行っていれば、政局は混乱必至であっただけに、政治的には一応問題回避の解決策であったと思われる。  
また市場原理と法律にもとづいた債務処理ルールの透明性確保、ひいては企業のモラルハザードに歯止めをかける、意義ある第一歩ではあった。  
 
しかしながら、この代償は大きい。  
以下の問題指摘は、私自身の反省の弁としてお読みいただきたい。  
 
1.そもそも金融再生法による不良金融機関の一時国有化スキーム自体に問題がある。このスキームはもとをただせば民主党の提案であり、自民党が国会対策上、鵜呑みにしたものである。  
 
金融機関の国有化こそ、金融機関の自己責任を不問にして、国民負担を最大限にしてしまうものである。事実、旧長銀・旧日債銀の国有化のための国の支出は両行合わせて、7兆円近くに及んでいる。  
マスコミの論調は、預金保険機構債権の1千億円弱の債権放棄で大騒ぎであるが、本来ならば、両行の莫大な国有化コストの非を論じるべきであった。  
 
2.旧長銀の一時国有化により誕生した新生銀行がそごうの債権放棄要請を拒否した結果、預金保険機構が債権を買い取ることとなり、国が民間企業救済に加わる構図となった。これは新生銀行の設立にあたり、瑕疵担保特約なるものが結ばれており、「旧長銀から譲渡された債権が2割以上目減りした場合には、国が買い戻すこと」になっていたためである。  
 
3.公的資金で一私企業を救済することに国民世論がノーをつきつけた結果の政治決着。しかし実は「金融機関の債権放棄による自主再建」でいけば、当面の国民負担は発生しない見通しだったのに対し、民事再生法に基づく「法的整理」では最低200億円の負担が増えるようである。  
 
おまけに後者は約1万人の従業員と約1万社の取引先、約150の融資銀行の内財務体質の弱い約80の中小金融機関(前者では債権放棄の対象外だった)をどう救済するかという問題が前途に横たわっており、社会不安や景気冷却につながりかねない。  
 
4.債権放棄案を一旦決定した金融再生委員会は、金融破綻を政治的に中立な立場で進めるための独立行政委員会であり、政治介入は許されない筈である。表向きはそごうグループの自主判断となっているが、今回の事態で早くも権威を失ってしまった感がある。今後の国の金融行政に大きな禍根を残したと言えるだろう。
 
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