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イラク派遣の教訓 朝日新聞インタビュー記事
2015年4月3日の朝日新聞朝刊に掲載されたインタビュー記事です。  
  
  
イラク戦争とは何だったのか。それを考えると、自衛隊の派遣は行き過ぎだったような気がします。  
 自民党幹事長をしていた2003年2月、米国のパウエル国務長官が来日し、公明党の冬柴鉄三、保守新党の二階俊博(現自民党総務会長)両幹事長と共に米大使公邸で説得を受けました。パウエル氏は「イラクには大量破壊兵器がある。フセイン大統領に使われると甚大な被害が発生する恐れがある」と説明し、「日本も同調するよう小泉純一郎首相を説得してくれ」と要請されました。  
 私たちはその主張をうのみにし、小泉首相に「ゴーサインを出すべきだ」と進言したのです。小泉首相はブッシュ大統領に「イラク戦争を支持する」と伝えました。  
 結果論から言えば、大量破壊兵器があると信じたのは間違いでした。米国追随主義の典型です。米国の圧力というよりも、日本の政治家にたたき込まれた「日米同盟堅持」という外交理念によるものが大きい。同盟堅持のため、米国の要求にはできるだけ応えようという「対米コンプレックス」の表れだったかも知れません。  
 イラク戦争という力の裁きの結果、イスラム国(IS)」という鬼子が生まれたとも言えます。私はいま、当時の判断に対する歴史の審判を受けているようにも思える。ISの製造者責任は米国であり、間接責任は小泉首相にも、私にもあると言えるからです。  
 自衛隊のイラク派遣で死者を出さなかったことは本当に良かったが、日本が軍事力を外に向ける方向に一歩踏み出したことは間違いない。今の安保法制の議論は、イラク派遣の活動の中身を総括せずに、自衛隊をもっと活躍させようという議論の方向に向いています。  
 安倍政権の姿勢には、強い危機感を感じます。専守防衛から他国防衛容認に転換し、国際貢献に軍事力を投入することは、今までの安保政策を百八十度変えるものです。地球の裏側まで自衛隊を派遣できる恐ろしい広がりを持っている。そうした防衛政策に転換するなら、憲法9条の改正について、国民投票で国民の支持を得てからやるべきものです。  
 だから首相の「我が軍」発言には、国家のために軍隊は血を流すものだという軍国主義を肯定するニュアンスさえ感じる。国際貢献に軍事力を活用し、積極的平和主義の裏付けにする発想でしょうが、戦後70年間平和を維持してきた以上の平和主義はありません。  
 首相は、安保政策で政治的実績を残したいのでしょうが、首相に一貫して見られるのは「タブーへの挑戦」という政治家としての美学です。歴代自民党政権が「集団的自衛権は行使できない」としてきた政府見解を解釈改憲でやってのけた、と。それはまさに「アリの一穴」なのに、首相はその危うさに気付いていない。  
 日本が集団的自衛権を行使して、米国を守りに行くというが、現実に米国を攻める国はありません。どんなケースがあるかといえば、米国が世界の警察官として振る舞う時、「自分も年を取ったから、日本も一緒に戦ってくれ」という状況です。新たな日米防衛協力のための指針(ガイドライン)では、米国はそうした役割を求めてくるでしょう。今回の安保法制は、米国のいわば「番犬」となるための法整備となりかねない。  
 米国が国連決議なしに中東の紛争に関わる時、「番犬」として自衛隊が巻き込まれるのは馬鹿げている。イスラムのシーアとスンニの戦いは、どちらが正しいか分からない。「日本は関係しません」と言う方がよっぽどましです。  
 より多くの国と安全保障協力すれば日本の安全が確保されるという考えは間違いです。戦争に巻き込まれるだけで余計な善意です。  
 他国の戦争に出て行かないことこそ本当の平和主義。積極的平和主義の美名の下に軍事力で国際貢献するより、他国が「日本のようになりたい」と思う良い意味の一国平和主義をめざすべきです。
 
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