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VOICE OF TAKU山崎拓の主張
日本の国連安保理常任理事国入りと憲法改正の関係
中国のシンクタンク上海社会科学院での講演内容
 ご紹介を頂きました山崎拓でございます。  
 本日は、世界的に著名な中国のシンクタンクである上海社会科学研究院で講演させて頂き、誠に光栄に存じます。  
 私の講演の基本的スタンスは、わが国にとって日中関係は日米関係と共に最重要な国際関係であり、日本の国連安保理常任理事国入りも憲法改正も、日中友好関係をいささかも損なうものではない、ということであります。  
 まず、本日のテーマに入る前にわが国の外交・安保三原則を申し上げます。  
第一に、国連中心主義  
第二に、日米同盟堅持  
第三に、アジア重視  
であります。  
 ところが今次、米国大統領選挙に於いて、ブッシュ大統領は対立候補のケリー氏がイラク戦争について「戦争は最後の手段のはずなのに、最終的に国連決議をまとめる努力を尽くさなかった」と批判したのに対し、「国連決議で世界が平和になるなんて、二〇〇一年九月十一日以前のメンタリティー(精神構造)だ」と切り返しました。  
 米国が国連の役割を軽視するようになると、パックスアメリカーナ(軍事超大国米国一国支配による平和秩序)を目指すか、モンロー主義(孤立主義)に移行する可能性があり、国際連合の世界平和秩序維持機能を重視するわが国の外交・安保政策も見直さなければならなくなります。わが国としては、この際米国を説得しつつ国連改革の先頭に立つと共に自ら国連の中核部分である安全保障理事会の常任理事国となって、国連中心の国際の平和と安全の秩序を再構築すべく志を新たにしています。  
 
 そこで本題に入りますが、わが国内の議論は大別して二つあります。  
 一つは「憲法改正は国連安保理常任理事国入りの前提条件ではないか」、とするものであり、もう一つは、その逆で、「国連安保理常任理事国入りこそ憲法改正の前提条件ではないか」、というものです。  
 前者の議論は、日本政府も否定し、米国のアーミテージ国務副長官も一旦同様の意見を述べられたことが過日報道されましたが、本人がその後否定された経緯がある曰くつきの議論です。後者は、実は私自身が提起した議論ですが後程説明致します。  
 この二様の議論にいう「憲法改正」とは、現行憲法第二章第九条の改正のことを指しています。  
 第二章は「戦争の放棄」の章ですが、第九条唯一条で構成されています。二項ありますが、第一項で国権の発動たる戦争と、国際紛争を解決する手段としての武力の行使を永久に放棄すること、第二項で、第一項の目的を達するための陸海空軍その他の戦力は保持しないこと及び国の交戦権を認めないこと、が規定されています。  
 つまり「戦争の放棄」「戦力不保持」「交戦権不認」が規定されています。  
 因みに、この場合の「戦争」とは、「侵略戦争」のことであり、「自衛戦争」は含まれておらず、従って国連憲章等で国際的に認められている自衛権は主権国家固有のものである、という憲法解釈が日本国内では既に完全に定着しています。  
 従って、第九条は正確に言うと「侵略戦争の放棄」「侵略戦争のための戦力不保持」「侵略戦争のための交戦権不認」と読み変えてよいと思います。  
 しかしながら、わが国が主権国家固有の自衛権は当然有しているとしても、自衛権には国連憲章五一条に明記されている、個別的自衛権と集団的自衛権の内、わが国の場合には集団的自衛権の行使には制約があるとの憲法解釈をとっています。この点についての従来からの日本国政府の統一見解は次の通りです。  
 「わが国が、国際法上集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上は当然であるが、憲法第九条の下において許容されている自衛権の行使は、わが国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものである。集団的自衛権の行使はその範囲を超えるものであって憲法上許されない」となっています。  
 そこでわが国が国連安保理常任理事国入りを果たしたとしても、現行憲法下では、国連安保理決議の下で国際紛争を解決する目的等のために多国籍軍を派遣することになった時に、従来通りその一員となって武力行使をすることが出来ないという問題が残ります。それは日本が自らの憲法上集団的自衛権の行使を出来ないのと同様に、国際紛争を解決する手段としての武力行使も出来ないのでは、つまり多国籍軍や平和維持軍に参加出来ないのでは、常任理事国入りの資格がないと考える、というのがアーミテージ氏も指摘したとされた一つ目の議論です。何故なら米国・中国等の五常任理事国(P5)のみが、国際安全保障上の重大決定に拒否権を有しているのであり、日本が同様に拒否権を有する常任理事国となって自らは積極的な役割を果たすことが出来ない国際協調行動に賛成することも、反対することも、独善(身勝手)のそしりを受ける可能性があります。  
   
 又二つ目の「国連安保理常任理事国入りこそ、憲法改正の前提条件」とする議論は、先程申し述べました通り、私自身が提起したものです。憲法を改正して、国際貢献の幅を広げるためには、国連におけるP5並みの発言権を確保しておきたいからです。  
 そこで参考迄に、私自身の憲法九条改正私案を紹介させて頂きます。  
 
『第九条改正案』  
(一)日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、自衛権を行使する場合を除き、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、永久にこれを放棄する。  
(二)日本国の主権と独立を守り、国の安全を保つとともに、国際平和の実現に協力するため、内閣総理大臣の最高指揮権の下、陸、海、空軍、その他の組織を保持することとする。  
 
(一)は、現行規定に「自衛権を行使する場合を除き」を挿入しただけであり、これにより自衛権の保有を明確にしました。  
(二)は、戦力不保持の規定を改め、自衛権行使のためと、国際連合の旗の下での国際平和の実現に協力するための、戦力保持を認めたものであります。  
 自衛権行使のための戦力保持は当然のことですが、国際平和の実現に協力するための戦力保持は、具体には国連安保理決議の下に国連多国籍軍が派遣された場合に、わが国も積極的に参加出来る途を開くためのものです。  
 ここで、日本は既にアフガニスタンやイラクに自衛隊を派遣しているではないか、という疑問が呈されることと思います。しかし、両ケース共に、武力行使出来る戦力として派遣されたものではありません。アフガニスタンの場合は、インド洋に於いてテロリストたちの国外逃亡を監視している外国艦船に、海上自衛隊が油を補給する活動を行っているものであり、広い意味での後方支援活動に過ぎません。  
 イラクに於いては、非戦闘地域であるサマーワにおいて、イラク人民に給水・医療・学校や道路等公共施設の整備等の復興・人道支援活動を行っているものであります。  
 何れも国連決議を受けて特別措置法を制定し、非戦闘地域に自衛隊を派遣したものであり、武力行使は禁じられており、万一攻撃を受けた時は警察比例の原則で正当防衛、緊急避難として武器使用が認められているだけであります。  
 それでは、憲法が改正されればどうなるか、ということでありますが、改正憲法にも引き続き現行憲法同様に「国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、永久にこれを放棄する」規定を設ける以上、国連多国籍軍や国連平和維持軍に参加する場合も、正面に出て武力行使は行わず、後方支援に止める方針です。但し後方支援活動中に攻撃を受けた場合は、集団防衛上の武力行使を参加他国軍と共に行うことになります。例えば現在イラクのサマーワに於いて、わが国自衛隊はオランダ軍の庇護を受けながら活動中ですが、オランダ軍がイラクの武装集団から攻撃を受けた場合には自衛隊は共に反撃することが出来ないという矛盾に悩んでいます。  
 又、集団的自衛権の行使に関しても、その範囲を限定し、例えばわが国周辺事態に止めることになると思います。現在、日本が国際法上の集団的自衛権を行使すべき立場にある国は、安保条約を結んでいることから同盟国である米国に限定されます。その米国が世界中のどこかで攻撃を受けた場合に、たとえ米国から要請があったとしても、日本の自衛軍が直ちに出動するわけではなく、出動するケースは予め法定しておくことになると思います。  
 以上申し上げたような憲法改正後のわが国の新たな安保政策は、新憲法制定直後に、非核三原則堅持の国会決議を行うと共に、安全保障基本法を制定して明定することになるでしょう。そのような手続きを通じて国際社会に向かってわが国が引き続き平和国家であることを訴え、国際社会における名誉ある地位を占めたいと考えています。  
 ここで鋭敏なるご出席の各位から、日本が将来集団的自衛権を行使する可能性がある周辺事態の具体的ケースを述べよ、との設問があるかも知れません。  
 率直に申し上げて現時点で、日本国内で議論されている具体的ケースは朝鮮半島と台湾海峡で武力衝突が発生した場合であります。しかし、周辺事態法で規定されている周辺事態とは正確に言うと、「わが国の平和と安全に重大な影響を及ぼす周辺事態」であり、単なる地理的概念ではありません。  
 そこで台湾海峡有事の発生は、中国が台湾を武力解放しようとした場合以外に考えられません。日本としては勿論内政干渉は出来ませんが、その場合における米国の動向は不明であり、この際台湾問題に関する中国の理性的かつ冷静な対応を期待しますし、まずそのような事態の発生が未然に防止されることを強く望んでいます。又当然のことながら、日本としては従来からの日中間の全ての国際約束を遵守する決意であることを改めて申し上げておきます。  
 本件の突っ込んだ議論は本題から外れるので別な機会に譲らせて頂きます。  
 
 最後に、わが国が国連安保理常任理事国入りを目指す理由を改めて申し上げておきたいと思います。  
 わが国が常任理事国入りして、国際の平和及び安全の維持に関する意思決定の関与を深めることは、  
々餾櫃諒刃造醗汰瓦砲發辰板樟榲・継続的・効果的に貢献したいこと、  
∪こΔ侶从竸綵爐慮上のために、全世界におけるODAのシェアが十六%に及ぶ開発分野での蓄積された能力、経験をもっと活用したいこと、  
M0譴慮暁の非核国家として軍備管理、軍縮問題への対応の強化にもっと発言したいこと、  
す駭⇒住擦瞭鶻箒瓩ど蘆瓦鮃圓国として「代表権なくして課税なし」の原則からも国際社会における発言力を高めたいことは当然と考えること、  
等の観点から多くの国連加盟国から支持されるものと確信しており、実現の可否は中国が拒否権を行使しないことが鍵となると思います。この際特に中国の深いご理解とご支持を求めたいと思います。同時に今後の日中関係の健全な発展こそが、国際平和の鍵となることも論を待たないところであり、これを機に上海社会科学研究院の一流の学者の皆さんの発する知的メッセージをしっかり受け止めて、政冷経熱と言われる状態を一日も早く克服し、日本側としても国際平和への真剣な取り組みを続けていくことをお誓いしたいと思います。  
 
 
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