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ACTIVITY REPORTS活動レポート
首相施政方針に対する代表質問
平成15年2月3日
代表質問全文は自民党HPでもご覧になれます。こちらをクリックください。  
 
 
私は自由民主党を代表して、総理の施政方針に対し質問いたします。  
 
 まず、冒頭に米国スペースシャトル・コロンビア号の墜落事故により、七名の勇敢な乗員全員が命を落とされたことに対し、米国ならびに関係国政府と国民に衷心より哀悼の意を表します。  
 
(改革推進の決意)  
 小泉内閣は間もなく満2年を迎えます。その間一貫して聖域なき構造改革に取り組み、「改革なくして成長なし」と叫んでこられましたが、わが国は依然として既存の政治、行政の行き詰まりとデフレ経済の閉塞感に蔽われています。  
 総理は、施政方針の中で、「改革は途半ばにあり、成果が明確に現れるまでには、いまだしばらく時間が必要だ」と言われました。そして続けて「わが国には高い技術力、豊富な個人資産、社会の安定など経済発展を支える大きな基盤が存在します。厳しい環境の中でも、多くの人々や企業そして地域が前向きに挑戦を続けています。改革を進め、こうした力を一日も早く顕在化させることにより、わが国の発展につなげてまいります。」と自信のほどを示されました。  
 総理は一国を率いるリーダーとして、たとえワンフレーズポリティックスと言われようが、このように国民の先頭に立って未来を切り拓いていく揺るぎない信念、責任感を示されることが必要です。今一度国民に向かって、今後も引き続き聖域なき構造改革を推進していく断固たる決意を示していただきたいと思います。  
 
 さて本国会には現在予定されているだけでも法律案、条約等145案件という未曾有の多数の提出案件が準備されています。まさに聖域なき構造改革を実行に移すための法的インフラの整備が行われようとしているのです。実例は枚挙に暇がありませんが、大繰りに申し上げますと、  
 産業再生関連  
 税制改革関連  
 公正取引委員会体制改革及び司法制度改革関連  
 特殊法人及び公益法人関連を始め、  
 食品安全関連  
 環境関連  
 社会資本整備関連  
そして個人情報保護法制関連等々です。  
 これらの法律案は総理が唱える構造改革の方向性である「官から民への転換」に資するものであり、その意味で一つ一つが出口の見えない閉塞状況を脱出する鍵となるものと言えます。その意義を体して、全て会期内に成立させるべく与党は結束して国会審議に対応しますが、ひな壇におられる小泉総理以下閣僚の皆さんも緊張感をもって国会審議に臨まれるよう、特に要望しておきます。  
 
(歳出構造改革)  
 私は聖域なき構造改革の中心軸は何と言っても歳出の見直しを柱とする財政構造改革だと考えます。こう申しますと必ず「デフレ不況の克服が先決だ」との反論が押し寄せてきます。総理は敢然として「改革なくして成長なし」との持論で押し返してこられました。この話は一寸「卵が先か鶏が先か」の議論と似ています。  
 私は過去の失われた10年を振り返ってみると、景気てこ入れのためにケインズ理論に立脚した公共事業中心の財政出動を繰り返してきたにもかかわらず、一時的な景気カンフル効果は見られても、僅かな時間に元に戻ってしまう悪循環を繰り返してきました。結局のところ徒に財政硬直化を促進するのみで、公共投資にかつてのような乗数効果は見られないと確信するに至りました。  
 もちろん、今後とも均衡ある国土の発展のための社会資本整備の必要性を否定するものではありませんが、問題は限られた財政資源をいかに経済波及効果が高く、今後の成長実現に寄与する分野に選択的に集中していくかであり、財政運営に対する戦略が求められています。歳出構造改革について、総理のお考えをお聞きします。  
 
(金融政策に対する認識)  
 そこで平成15年度政府予算案を点検してみますと、一般会計伸び率0.7%、一般歳出伸び率0.1%ですから明らかに景気中立型の予算案でありますが、一方、財政健全化という視点からは問題なしとしません。何分にも国債発行が36兆4,450億円(21.5%増)に達しており、遂に平成15年度末の国債発行残高が450兆円に達する見通しとなりました。  
 もちろん1兆8,000億円の先行減税これあり、税収及び税外収入の減収見込みが4兆9,662億円(約5兆円)と大きいことが対前年比大幅な国債発行増を招いています。このようにデフレ経済の下では、当然税収は落ち込むことになります。財務省の試算によりますと、名目成長率0.0%の場合と一定のプラス成長がある場合には歴然と税収に差が出てきます。18年度には2兆円超の差が付く試算になっています。従ってデフレ不況克服が急務であり、2010年代初頭のプライマリーバランス回復実現に向け、実効ある政策展開が求められています。  
 デフレ不況克服の為には財政、税制、金融、規制改革を4本柱とする政策総動員が必要であることは論をまちませんが、先月末平成14年度補正予算が成立したばかりであり、またいよいよこれから平成15年度政府予算案と税制改正案の審議に入っていく段階であります。しかも一部では3月末決算をにらんで3月金融危機説も取り沙汰されています。まさに現時点に限って言えば金融政策の出番だと言えましょう。  
 この点についての総理のご認識をお伺いいたします。  
 
(不良債権問題)  
 そこで金融政策についていささか論じたいと存じます。デフレの対処策としてフィッシャーの貨幣数量説をひもとくまでもなく、市場に潤沢な資金供給を行い続けることが重要です。確かに日銀は一昨年2月以来、切れ目なく金融緩和措置を講じてきた結果、日銀当座預金残高は1年半前の4倍である20兆円弱で推移し、市場への資金供給は超緩和状態にあるにもかかわらず、民間金融機関は国内経済、産業活動への新たな資金供給に消極的になり、貸し渋り現象が見られます。すなわち、銀行がリスクを取らずに国債保有残高だけを増やし続ける状態です。  
 1月の月例経済報告を見ましても、マネタリーベースは19.5%増となっていますが、逆に銀行貸出は2.3%減となっています。これではデフレが進行するのは当然であり、日銀にも従来型の手法でこと足れりとしてきた意味で大きな責任があります。  
 日銀が資金を供給しても銀行貸出が減っていくのは何故か。銀行が貸し渋りを行うのは何故か。それは明らかに不良債権処理の問題が重くのしかかっているからです。  
 金融再生法に基づく開示不良債権額は、大手12行で平成14年9月末現在、23.9兆円という額に上っており、小泉政権スタート時の18兆円(平成13年3月期決算)からさらに増加しております。処理しても処理しても新しく発生してくる悪循環をどこかで絶ち切る必要があります。その方途は迅速なる処理と新規発生を抑止する為の景気回復であります。  
 前者の方途として政府は昨年10月、「金融再生プログラム」を決定し不良債権処理を加速して平成16年度に終結させる目標を立てました。今最も求められているのはスピード感であり、解決のメドが示されれば新たな民間投資の計画も立てやすくなります。  
 したがって不良債権処理と企業再生は車の両輪であるとの基本方針を改めて確認したいと思います。今国会には産業再生機構法が提出されます。早期成立に全力を挙げますが、産業再生は基本的には民間ベースで進めるべきものであり、またそうでなければ実のある再生とはなりません。もちろん政府としても手をこまねいて眺めていることは許されません。民間が主役であるとの基本線を守りつつも、強力にてこ入れを行う必要があります。産業再生機構を単なる不良債権の塩漬け機関とせず、わが国産業再生の起爆剤としてどのような方針で立ち上げ、運営していくのか、モラルハザードを招くなどと言って2次ロスの処理にかかる国費の投入を忌避せず、不良債権処理のスピードアップを図るべきであり、その具体的手順とあわせ、総理のお考えをお聞きします。  
 
 不良債権処理のスピードアップとともに、日銀プロパーの金融政策について期待感と不信感が交錯しています。  
 インフレ目標設定の是非論がその象徴的な事例です。この問題は賛否両論に分かれて論争を生んでいますが、日銀の速水総裁は明確に反対の意見を述べておられます。確かに日本銀行の独立性は「日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない」とする日本銀行法第3条の規定等によって担保されています。  
 一方同じ日銀法第4条には、  
 「日本銀行は、その行う通貨及び金融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を蜜にし、十分な意見疎通を図らなければならない。」  
とあります。  
 したがって政府と日銀は一体となって金融政策を推進することは当然であり、政府のデフレ脱却の基本方針と整合的かつ積極的な金融政策の展開を日本銀行に期待する所以もそこにあります。  
 この際政府が日銀と連絡を密にし、十分な意思疎通を図ることが出来るよう、間もなく国会承認を経て決定される日銀総裁及び副総裁の人事において、柔軟かつ積極的な思考の出来る人材の起用を強く期待いたします。  
 しかしながら、当面は取り沙汰されている3月金融危機を不良債権処理の問題ともからめて必ず回避すべきであり、政府も日銀も危機感をもって真剣に対処していただきたいと存じます。日銀による各種国民資産購入の提案もありますが、具体的方策は当局にお任せ致しますが、弾力的かつ大胆な対応を期待します。  
 
(規制改革、構造改革特区)  
 次に規制改革について質問致します。小泉総理のキャッチフレーズに「官から民へ」という言葉があります。つまりこの「民間に出来ることは民間に任せる」との方針を徹底し、さまざまな規制や制度が自由な経済活動を阻んでいる現状を改革して民間経済活動の活性化と企業・産業の国際競争力強化を実現していくべきだと考えます。  
 構造改革特区についても一層の活用が望まれます。例えば、今回農業への一部株式会社参入が実現しましたが、農業者団体の理解を得つつこれをさらに進めれば、地方への人口定住、食の安全確保、自給率アップ、農業の輸出産品化と国際競争力強化等、多くのメリットが期待できるのではないでしょうか。  
 教育についても慎重意見がありますが、国民が公立中・高への不信を強めて私立を選択し、また塾や予備校が教育の多くを担っている現状は、すでに現実の方が先に進んでいることを示しています。規制に守られ、緊張感もなく惰性的に存続できるシステムが、市場により淘汰されるシステムより優れているとは思いません。経済活性化の観点からの規制改革、構造改革特区の推進について総理にお伺いします。  
 
(税制)  
 次に、税制については、「あるべき税制」の構築に向け、構造改革の一環として国家戦略を明確にし、結果平等主義から決別して、国際競争力の高い企業や知恵とやる気を備えた中小企業がさらにその活動の幅を広げていけるよう、国際的な視点で経済活性化のカギとなる分野に集中的・重点的な措置を講じていくべきだと考えます。  
 その意味において、今回の税制改正が国内産業の空洞化に対処し、日本ならではの技術を創造し独自の付加価値を生み出す底力を強化する観点から、米国の税制と比べても3倍から4倍の税額控除を可能とする研究開発税制を創設したのを始め、過去最大規模の設備投資減税、中小企業減税を盛り込んだことを高く評価します。  
 また、国内経済の観点からも、資産デフレの進行を食い止めるとの強い決意のもと、現役世代への資産移転を促すための相続税・贈与税の一体化、土地流通課税の大幅な軽減、「貯蓄から投資へ」を加速する金融・証券税制の抜本的な軽減・簡素化等、資産課税全般にわたり数十年に一度の大改革がなされたことも高く評価したいと思います。  
 しかしながら、一点難を指摘すれば、不良債権処理と金融システムの機能回復の観点からすれば、金融機関の不良債権処理にかかる貸倒れ償却・引当の取扱い、欠損金の繰り戻し還付等の検討が来年度改正に持ち越されたことは残念に思います。今後、不良債権処理を加速する中で具体的な議論を行い政府・与党一体となって詰めていきたいと考えます。  
 税制のあるべき姿について、総理のお考えをお聞きします。  
 
(エネルギー)  
 次にエネルギー問題についてお伺いします。  
 わが国が今、未曾有のエネルギー危機に直面していることはあまり意識されていません。昨年、東京電力の原子力発電所のデータ改ざん問題が表面化したことで、同電力の原子力発電所は順次安全点検のため停止しなければならず、スムーズに再稼動できなければ全基停止の事態を招き、夏場のピークでは幅広い停電発生の恐れすら考えられる状況にあります。  
 一方、OPEC第3の産油国であるベネズエラでは、長期のゼネストにより原油輸出が平常時の2割に低下しており、原油価格への影響が現れています。  
 もし今後、イラクに対する米国等の武力行使という事態が生じれば、イラクの原油生産停止の影響のみならず、中東情勢の緊迫化により原油タンカーの航行不能という事態が生じる懸念もあります。  
 このような状況下で、1月27日には高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の安全審査をめぐる行政訴訟で国が敗訴するという事態も生じました。  
 すでにわが国の電力供給の34%を分担する原子力は、生活・産業を支える根幹であり、地球環境問題やエネルギー安全保障、コストなど、いかなる面において考えても化石燃料主体のエネルギー体系への回帰は現実的ではありません。  
 将来爆発的な技術革新が期待される燃料電池や太陽光発電など、クリーンなエネルギーの開発はもちろん重要ですが、家庭や地域のエネルギーとはなりえても、鉄道や道路などの大動脈や産業を支える力は期待できません。  
 一方、原子力については、核燃料サイクルやプルサーマル計画の推進、高レベル廃棄物の最終処理・処分問題など、解決すべき課題がなお山積しております。民間中心の推進体制が整っても、安全や安心など、社会的規制を通じて国民に対して保障措置を講じることができるのは国や自治体であり、「官から民へ」の例外として国がより前面にたって推進すべきだと考えますが、エネルギー問題の現状に対する総理の認識とあわせてお考えをお聞きします。  
 
(社会保障)  
 次に社会保障の問題について質問いたします。  
少子高齢時代を間近に控え、年金、医療、介護等社会保障制度について国民が安心し、将来設計をしっかりと立てられるような改革を進めることが急務です。国民に信頼され、持続可能で安定的な制度にしていくため、給付と負担の見直しをはじめ、不断の改革を行っていく必要があると考えますが、社会保障制度全体の改革の方向性をどのように考え、また、今後、具体的にどのように進めていくのか、総理にお伺いします。  
 国民の老後生活にかけがえのない役割を果たしている年金制度については、若い世代を中心に、自分が年金を将来もらうまで制度が維持されているのか不安を感じている人も少なくありません。昨今言われている損得の観点からの次元だけでなく、年金制度の意義や役割について、若い世代の理解を深める努力が必要です。また、国民年金の未納・未加入問題、基礎年金の国庫負担の2分の1への引き上げの対応、女性と年金等課題は山積しています。どのような考え方を基本において年金制度改革を進めていくのか、総理のお考えをお伺いします。  
 
(少子化対策)  
 ここで特に少子化対策についてお伺いいたします。  
わが国では少子化が進む中、これまで増え続けてきた総人口が急速に減り始める「人口減少時代」がまもなく到来します。予想を超えた少子・高齢化により、世界のどの国も体験したことのない規模とスピードで人口が減少するとされており、日本は「持続不可能な国になる」という指摘さえ聞かれます。こうした事態をどう受け止め、対応しようとしておられるのか、総理のお考えを伺います。  
 人口の減少をやわらげるためといって、国家が個々人の結婚や出産に介入することは、戦前の人口政策の反省からも戒めるべきことです。ただ、若い世代の中に、「本当はこどもが欲しい」「2人目が欲しいが産めない」という声が少なからずあるのに、実際には諦めているという状況には問題があると考えます。そうした原因を、長時間職場に拘束される働き方や、重い子育て費用、保育サービスの不足といった社会環境がもたらしているといわれており、こうした状況は早急に改善していかねばなりません。こどもたちは社会の明日を担う希望であり力です。日本を安心して子育てできる国にするため、次世代の育成支援に社会全体で取り組むという「次世代育成支援宣言」を総理が行い、内閣を挙げて取り組むべきだと考えます。  
 小泉政権は「待機児童ゼロ作戦」をいち早く打ち出し、保育所の定員拡大に取り組んできましたが、保育サービスの需要は高まる一方です。介護保険の創設が高齢者の介護を支える安心の仕組みとなりました。子育てについても、「ゼロ作戦」からさらに踏み込み、ばらばらになっている育児支援施策(児童手当、出産育児一時金、保育所への助成、育休手当など)を財源も含めて統合し、強力な次世代支援システムとなるよう検討すべきだと考えますが、総理のお考えをお伺いします。  
 
(治安対策、教育基本法)  
 わが国の治安水準の悪化や心の荒廃、モラルの低下は極めて憂慮すべき状況にあり、「世界一安全な国 日本」の神話は崩れつつあります。昨年1年間に発生した刑法犯は285万3,739件に上り、前年比で4.3%も増加、7年連続で最悪を更新しました。その一方で2001年の一般刑法犯の検挙率は19.8%と過去最低を記録、昨年は20.8%とやや持ち直したものの極めて低い状態で推移し、犯罪の抑止力を失うとともに、国民の体感治安が深刻なまでに悪化したと報じられています。  
 このような状況はもはや放置は許されず、警察・司法体制の根本的な見直しが迫られていると考えます。凶悪犯罪の太宗を占めるのは不法入国・滞在外国人によるものであり、犯人の特定が極めて難しく、入・出国管理体制や税関業務機能の強化はもちろん、不法入出国を水際で食い止めるための領域警備体制の構築、警察官や入国管理、司法等にかかわる人員の増員、外国語教育の強化等総合的な対策が何よりも急がれると思いますが、また、このことは観光立国推進の前提条件とも考えられますが、総理のお考えをお聞きします。  
 一方、外国人犯罪と並んで深刻な問題となっている青少年犯罪増加の背景には、公徳心よりも個人主義を優先した教育の歪みや社会全体のモラルの低下等による心の荒廃が指摘できます。「個」に優先する「公」の概念をしっかりと身につけ、健全な理想と国際的な視野を持った青少年の育成は急務であり、政治がしっかりと問題を直視し、逃げることなく「公共」の概念や「郷土や国を愛する心」、わが国の伝統や文化を学び育む教育改革に取り組まなければなりません。  
 今国会には教育基本法改正案の提出が予定されていますが、われわれ国会議員に課せられた使命は、教育立国の見地に立ち、国民精神のあり方について憲法改正論議同様の徹底討議を行い、これを21世紀初頭に生まれた崇高な文化遺産とすることが、未来の国民と国家に責任を果たすことであると確信します。教育改革、なかんずく教育基本法の改正について、総理の理念、哲学と決意をお聞かせください。  
 
 次に外交・安全保障問題について質問いたします。  
 
(イラク問題への対応)  
 世界の安全保障環境は、東西冷戦の終結とその後の米国における9.11テロ事件から一変し、平和に対する脅威の存在が「国家」対「国家」という構図を超えた、国際的なテロ組織に広がっています。大量破壊兵器の開発と拡散の恐れと結びついて、ポスト冷戦構造における新しい脅威が発生したものと認識すべきでしょう。  
 こうした中で、米国は国際テロ根絶にむけた闘いを継続し、わが国の自衛隊もテロ対策特措法に基づき、米軍等に対する給油活動や物資輸送などの協力支援活動等を行っていますが、残存するアル・カーイダによる国際テロの脅威は今も除去されておらず、現在も多くの国がアフガン周辺に部隊や艦艇等を派遣しています。  
 さらにイラクの大量破壊兵器開発疑惑をめぐる状況をめぐって国際情勢は緊迫度を日増しに高めています。イラクに関しては、総理は米国に対して昨年9月の国連総会演説などで一貫して国際協調の枠組みを大事にすべきだと説くなど、日米同盟関係を尊重しつつも、国連決議に基づく行動を行うよう正しく主張すべきことは主張してきました。その後イラクに対する国連による査察が実現したのも、見方によれば総理の主張に沿った国連決議1441号の採択が実現したからであります。  
 そして去る1月27日、安保理においてブリクスUNMOVIC(国連監視検証査察委員会)委員長及びエルバラダイIAEA(国際原子力機関)事務局長より査察結果の最新の報告が公開で行われましたが、これに対し米国は「イラクは一連の主要な疑問に応える確固たる情報を全く提供していない」と厳しい評価を示しました。また翌1月28日、米上下両院合同会議においてブッシュ大統領は一般教書演説を行い、その中で「イラクは12年間国連決議に違反し続け、国連安保理が最後の機会を与えたにもかかわらず、イラクの独裁者は武装解除せず、査察を妨害し、逆に世界を欺いている」と指摘しました。その上で2月5日に安保理の開催を求め「パウエル国務長官がイラクの違反の証拠を明らかにし協議する」と述ベ、武力行使による大量破壊兵器の根絶を辞さない決意を示唆しています。  
 いずれにしても今後も国連機関による査察が継続され、その結果明白な証拠が出れば武力行使等、重大な局面の展開が予測されます。  
 イラクが自ら進んで大量破壊兵器の廃棄を明確にし、その保障措置が講じられない限り、イラクの大量破壊兵器の開発に対し国際社会が危機感を共有し、国際協調下での対応が望まれます。したがって米英軍等が武力行使に踏み切るためには新たな国連決議が採択されることが望ましいことは当然ですが、基本的に大事なことはイラクのもたらす人類社会全体に及ぼす恐るべき脅威の根源を立つ力は、究極において米軍の軍事力にしかないということも十分考慮すべきです。本問題に関する総理の基本的なお考えをこの際お聞きしておきたいと存じます。  
 
(北朝鮮問題―国交正常化、拉致問題、核開発問題)  
 一方、昨年9月17日、小泉総理の英断による北朝鮮訪問で歴史的な日朝首脳会談が実現しました。その際、北朝鮮の拉致事件への関与が明らかにされ、金正日国防委員長の正式な謝罪と再発防止が約束されるとともに5人の拉致被害者が帰国しましたが、死亡とされた8人の安否と、さらなる数多くの被害者がいるのではないかとの思いは国民の心に重くのしかかったままです。その後日朝国交正常化交渉は中断しており、再開のメドは立っておりません。拉致問題の全面的な解決こそが国交正常化の前提条件となりますが、局面打開のための一層の外交努力を要望いたします。  
 また、その後北朝鮮では濃縮ウランの開発疑惑から、核兵器の再開発が行われている可能性が表面化し、核施設に対するIAEAの封印撤去や監視要員の国外退去措置、NPT条約脱退表明、核燃料棒の移動など、無謀としか言いようのない瀬戸際外交の矢継ぎ早の展開に、わが国のみならず、国際社会全体が危機感を持ち、危惧の念を強めています。  
 北朝鮮に対しては、IAEAが国連安保理に対応を委ねるのは確実な情勢となっています。わが国としてはP5(国連安保理常任理事国)プラス2(日韓)の枠組みで対応措置を話し合うことを提案していますが、北朝鮮が現在のような対応を続ける限り、国際社会が経済制裁等の措置を取ることは避けられず、北朝鮮は体制の存続そのものが重大な岐路に直面することになります。  
 いずれにせよ、北朝鮮が核開発を放棄することがすべての前提であり、米国もそれを北朝鮮が受け入れれば対話に応じ、武力攻撃せず、さらには新たな・大胆な・支援を行う考えを表明しています。この際、わが国としても北朝鮮暴走封じ込めの基本的枠組みである米国、日本、韓国三国の連携を一層強化するため、小泉総理がブッシュ大統領や盧武鉉次期大統領との積極的対話を行い、首脳外交を通じて北朝鮮の国際協調路線への転換を促すべく、わが国の主体的な外交努力の展開を求めます。その上で、平壌宣言に謳われたように日米韓中ロと北朝鮮の六者協議による朝鮮半島のみならず北東アジア全体の安全保障の枠組みを構築していく努力を行うべきだと考えますが、総理のお考えをお聞きします。  
 
(安全保障に対する認識、国際テロ根絶への決意、有事法制整備)  
 総理、私はこうした予断を許さない国際情勢の中で、昨年与党が国会に提案した武力攻撃事態対処関連三法案の修正案を一刻も早く国会で成立させる等、わが国の安全保障体制を磐石にすることが急務だと考えます。  
 同法案は、与党三党において党派を超えた国民の幅広い支持が大切だと考え、民主党の意見等をも取り入れて修正を行ったものであり、その中で国民の関心の高い国民の保護のための法制についての法案作成に向けた準備作業の加速、また、テロ・不審船対策等について関係機関の緊密な連携の強化とその対処能力の充実を政府に求めています。  
 以上、国際テロ根絶への協力の決意、拉致問題解決への対処方針および北朝鮮情勢についての認識、国交正常化交渉の今後の展開、イラク情勢についての基本認識とわが国の対処方針、武力攻撃事態対処関連三法案への対処等総理の安全保障に対するお考えをお聞かせください。  
 
(対中国・韓国外交)  
 また、中国では昨年新しい指導者が誕生し、韓国も今年2月に誕生しますが、北朝鮮の問題を考えれば、その他の問題も含め一日も早く両国首脳との緊密な関係を構築する必要があると考えます。中国、韓国外交に対する総理のお考えをお聞きします。  
 
(終わりに)  
 終わりに、総理は施政方針演説を通じて「悲観論から新しい挑戦は生まれない。挫折してもくじけず、また立ち上がることが大事。難局に敢然と立ち向かった歴史に学び、勇気と希望を持って新しい日本を作り上げる」と訴えられました。私の座右の銘も「可能性を信じる」という言葉です。国民は小泉総理が聖域なき構造改革に着手した以上、途中で投げ出すことなく最後までやり遂げてほしいと期待しているはずです。  
 私は昨年の代表質問で総理を・ネバーギブアップ・の言葉で激励致しました。今回も再び「ネバーギブアップ」を大声で申し上げ、今年こそ小泉政治の成果が正当に評価されることによって流行語大賞をとらせていただきたいと思います。  
「ネバーギブアップ!」
 
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