Fight!TAKU -YAMASAKI TAKU OFFICIAL WEBSITE トップページへご意見・ご感想リンク集
お知らせプロフィール政策と出版物活動レポート山崎拓の主張「拓」関連記事憲法改正ビデオメッセージ
ACTIVITY REPORTS活動レポート
ソウル国際会議
メールマガジン 山崎拓の時々刻々 184号
 1月30日(水)、韓半島先進化財団のご招待により「韓半島の未来:統一か、永久分断か?」をテーマに、韓国のSeoul Plaza Hotelで開催されたソウル国際会議にて講演を致しました。  
講演内容は以下の通りです。  
  
演題  
「我が国の対北朝鮮政策について」  
  
  
 標記については、2002年9月17日に平壌で行われた小泉純一郎日本国総理大臣(当時)と金正日朝鮮民主主義共和国国防委員長(当時)の会談の結果発出された「日朝平壌宣言」(全文別紙)に網羅的に記述されている。  
 書き出しは、「両首脳は、日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治・経済・文化的関係を樹立することが、双方の基本的利益に合致すると共に、地域の平和と安定に大きく寄与するものとなるとの共通の認識を確認した。」となっている。  
 日朝間の不幸な過去とは、日本の1910年〜1945年の36年間に亘る植民地支配を指すことはいうまでもないが、日朝国交正常化の暁には、1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則を確認した。同時に国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、日本側から無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道的支援等の経済協力を行うことになっている。  
 この宣言では、2002年10月中に日朝国交正常化交渉が再開されることになっていたが、10年の歳月を経た今日未だ再開されていない。それは解決すべき懸案事項とされた中にある“日本国民の生命と安全にかかわる懸案事項”即ち拉致問題が未解決の故である。この平壌会談に於いて北朝鮮側は金正日国防委員長が拉致被害者の存在を認め、曽我ひとみさんを始め5人の被害者の帰国を容認した。さらに2004年5月の二度目の小泉訪朝の際に5人の方々の家族の帰国を容認したが、日本側が認定拉致被害者としている13人の内8人について、未だ帰国が許されていないのみならず、誠意ある対応が全くなく生存すら確認されていないために、我が国の対北朝鮮国民感情は最悪の状態が続き、国交正常化交渉に入れる状況ではない。  
 又懸案事項として“国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらない”として約束した、“核兵器の開発を行わないこと”及び“ミサイル発射のモラトリアム”の問題がある。この点に関する合意はその後破られ続けており、国連安保理をはじめ国際社会の度重なる警告や制裁措置にも拘わらず核実験やミサイル実験が繰り返し強行されている。平壌宣言に記載されている先述の国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり実施されることが約束されている、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道的支援等の経済協力は今もって手付かず状態であり、北朝鮮側も金正恩体制になって、貧窮のどん底にある国民生活の飛躍的な改善を求めている以上、日本からの経済協力を求める必要がある筈だから、何故日朝間の懸案事項の解決に誠意をもって取り組まないのかを日本側は問い続けている。  
  
朝鮮半島の非核化については、国際社会全体が足並みを揃えている。  
それを実現するための関係国間の討議の枠組みが六者会合(Six Party Talks)である。  
六者会合が実現する迄の歴史的経過については、周知のことなので割愛するが、第1回の会合は2003年8月27〜29日北京の釣魚台迎賓館で開催された。その後、2007年2月8〜13日第5回第3フェーズ会合が開かれ、さらに2007年3月19〜21日の間第6回会合が 北京釣魚台迎賓館で開催されたのを最後として開かれていない。その間2005年9月13日〜19日迄開催された第4回六者会合において、初めて共同声明が発出された(全文別紙)。  
 この中で六者会合の目標として「朝鮮半島の検証可能な非核化」を掲げ、同時に北朝鮮は核兵器及び既存の核計画の放棄とNPT条約及びIAEA保障措置に復帰することを約束した。従って六者会合で発出されたメッセージの中では、最も重要な確認文書となっている。ところが2009年4月14日北朝鮮は、自らのミサイル発射(4月5日)に対する国連安保理の議長声明に反発し、無法にも核兵器開発の再開と六者会合からの離脱を表明した。国際社会としては、北朝鮮が一日も早く六者会合に復帰し、関係国が2005年9月19日の共同声明で約束した「約束対約束、行動対行動」の原則に従い、よく調整された措置を段階的に実行に移すことを切望している。ところが北朝鮮は六者会合復帰の前提条件として、核問題に関する米朝二国間の合意先行を主張しており、米国がこれに応じるかどうかが問題となっている。  
  
日本では小泉政権後の歴代のどの政権も拉致問題の早期先行解決を望んできたが、一切の成果はなかった。現安倍政権がスタートしたばかりだが直ちに日朝協議の再開をめぐって日朝外交当局者間及び非公式のラインで水面下のコンタクトが行われていた模様である。しかしながら、昨年12月には北朝鮮が人工衛星と称したが事実上の長距離弾道ミサイルを発射し、これに対する制裁決議が国連安保理事会において1月22日の午後、全会一致で採択された。日本としては、これに同調すると共に我が国独自の追加制裁も検討している。これに対し、北朝鮮は1月24日国防委員会が声明を出し、  
「このたびの国連安保理の制裁決議は、米国が主導した敵視政策の最も危険な段階のもので、全面対決戦に立ち上がる。衛星と長距離ロケットも、高い水準の核実験も、米国を狙うということを隠さない」  
と明言した。  
このように北朝鮮が3度目の核実験を行う動きを見せているので、国際社会はこれを阻止すべく結束した対処を行うべきである。北朝鮮が今後、このような硬直した姿勢を改め、国際社会の誠実な一員として仲間入りを果たそうとするならば、我が国としては平壌宣言に基づき、核・ミサイル・拉致各問題と対北朝鮮経済支援問題等の包括的解決をはかるために、日朝国交正常化交渉の開始を模索していくことになろう。  
  
以上が、当シンポジウムのテーマである  
(1)北朝鮮をいかにして正常な国家たらしめるか。  
(2)いかにして朝鮮半島の統一国家と恒久平和を実現するか。  
の二点に関する日本の役割と立場について述べたものである。  
日本としては、北東アジア全体の安全保障ためにも、中国が議長を務める六者会合が一日も早く再開され、開催国が一同に会し、検証可能な朝鮮半島の非核化に向けて前進を開始することが最も有効なプロセスであると信じている。  
  
 
このページの先頭へ