暫定行政機構を定着させていくためには、財政基盤をもう少し確立しなければ

山崎拓: アフガニスタンからお帰りになったばかりだそうで。
田中浩一郎: 先週までアフガニスタン、パキスタン、イラン、アラブ首長国連 邦を回ってまいりました。実は、先月も同じような地域を回っておりました。
山崎拓: 中東問題に取り組んで日本の在イラン大使館でもお仕事されたようですが、 田中さんご自身がその分野に飛び込んでいかれたいきさつは?
田中浩一郎: 私はもともと言語を専攻していて、その過程で英語以外、それもあまり日本人が学んでいない言語を学びたいと思ってペルシア語を選択しました。東京外国語大学にペルシア語学部がその前年にできたばかりで、少数言語の専門大学で2年目であればそれを知っている人間も世の中少ないであろうという天 邪鬼な発想でした(笑)。その結果言葉のおもしろさに引きつけられて、 大学院で修士も修めたんですが、ひょんなことから在イラン日本大使館の専門調査員で働く口があると。
山崎拓: その後、国連にも……。
田中浩一郎: 国連アフガニスタン特別ミッションというところで、私の前任にあたる外務省職員の方が退任するにあたり日本政府からあらためて日本人を送り込みたいということだったんですが、 外務省内、あるいは政府内に人がいないということで、以前専門調査員をやったという縁もあるんでしょうが、 私に話が回ってきた次第です。
山崎拓: アフガニスタンではどのくらいの期間おられたんですか?
田中浩一郎: ミッションでは2年3ヵ月です。
山崎拓: どんな活動を?
田中浩一郎: 和平調停で、当時はタリバンと北部同盟の和平合意を取り付けるための工作でした。
山崎拓: 内乱で戦っている連中のあいだを回って何とか話し合いの場をつくるというのは、 大変な作業ですね。当然それぞれの有力者はみんなご存じなんですよね?
田中浩一郎: そうですね、アフガン人でアフガニスタンの中にいる有力者、アフ ガニスタン周辺国に逃亡し政治活動のために難民となって避難していた人 たちとも知り合っていますし。
山崎拓: 東京で開催したアフガン復興会議は成功だったと考えているのですが、 現地の状況は良い方向に向かっているのでしょうか?
田中浩一郎: 東京会議の開催自体は非常に成功だったと、アフガン側、その周辺含めて、 この点では評価は一致しています。ただ、実は東京の会議以降にもう少しフ ォローアップが必要で、現状ではいろいろな悪い状況が見えてきています。 大きく3つあって、それは資金難、治安悪化、未だに軍事衝突が発生していることなんですが、 これらは相互作用で悪循環を生じかねない問題です。  
まず、例のカルザイ議長が率いる暫定行政機構の資金難が依然として解消されておりません。 公務員に相当する方々の給料未払いがあって、彼らの我慢がいつまで続くのかということです。 治安維持のための警察官の訓練が現在進んでいますが、彼らとていつまでも給料未払いのまま職 務を遂行するわけにいかないでしょうし、お金がないことを理由にいろいろ権力を使って悪事を働く者も出てきているということです。  
当初から予想され、起こるべくして起きたという状況で、暫定行政機構 には維持経費が集められない。東京会議に先立って国連などから再三アピールがなされ、わが国も若干ながら寄与していますが、やはり必要額の10 %にも満たない額しか集まっていません。これは単に今のお金を払うだけではなく、 タリバンの末期からおよそ半年に渡って給料の未払いが続いているといわれます。 何とか手当てをしないといけない、ということは当初からわかっていた問題です。
山崎拓: これは政府の維持経費ですか?
田中浩一郎: そうです。同時に軍隊を一元管理して、いわゆる国軍をつくって、 その兵員に給料を支払うための維持経費も含まれてまいります。
山崎拓: 暫定行政機構の資金難をまずは解消すべきだとすると、世界各国からの拠出 額を維持経費なりに回すことはできないんでしょうか。
田中浩一郎: 皆さんいろんな復興プロジェクトに合わせて、どのようにお金をつけて運営していくかということを率先して考え、ミッションを送っているようですが、 やはりそういう開発支援などにこだわらず、もう少し柔軟な対応で維持経費についても積み立てていく、拠出していくべきではないかと思います。 どの国も、自国の支援、自国の寄与が明確に見えるように、2国間支援を強調するんですが、 もし世銀が管理する信託基金のほうに応分に拠出できれば、暫定行政機構の維持経費などに回るファンドがある程度豊かになる。それで少なくとも公務員たちの求心力を暫定行政機構のほうに向けさせることができるかと思います。現在の暫定行政機構は名前だけで、カブールに存在してはいますが、根を張っておりません。その影響力も地方には及びません。まず暫定行政機構を定着させていくためには、 財政基盤をもう少し確立しなければならない。そのための手助けとして信 託基金へも日本側から、単なる2国間支援に偏らず、少し気前よく出していただければと思 います。  
2点目の問題は、治安の悪化です。カブール市内に限らず全般的にタリバ ン時代よりも悪化しているという様子です。また政敵を暗殺するという旧来の軍閥同士の対立、あるいは司令官同士の抗争もまだ見られる。先般カブールの空港 で航空観光相という現職の大臣が殺される事件を引き起こしています。時を同じくして国際治安支 援部隊(英国などを中心に展開している治安維持支援部隊)に対して、何者かによる銃撃事件が数回起きている。この背景については、未だ明確には突きとめられてはおりませんが、 少なくとも治安支援部隊の展開と存在をあまり快く思ってない者たちが、 今後の活動を妨害しようとして行っているものかと思われます。



軍事衝突が止まないのは、カルザイ政権の所動力が発揮されていないと

山崎拓: タリバン時代より治安が悪化したとは、大きな原因は何なのでしょうか。
田中浩一郎: 端的に言うと北部同盟が突出しているという状態が大きな問題です。 これは昨年12月上旬に成立したボン合意、つまりアフガニスタン暫定行政機構を立ち上げるもとになった合意がありますが、このボン合意でもう既に生じていた、 ある種の構造的な欠陥です。この北部同盟はタリバンがカブールを支配しはじめた1996年から、つい先日2001年まではアフガニスタン北東部に劣勢で追いやられていたわけですが、 それ以前の92年から96年までカブールを支配する政権だったわけです。当時、北部同盟が立派な政治を行うことができなかったということもあって、それがタ リバンの出現と勢力拡大を招いた要因でもあるわけです。
山崎拓: 民族的な問題もあるんじゃないですか?北部同盟にはパシュトゥン人 が少ないとか。
田中浩一郎: パシュトゥン人も入っていますが、数のうえでは少数ですね。現政権の中で北 部同盟が突出しているというのはどういうことかと言うと、当時の悪行を行 った者たちが舞い戻ってしまったということになります。これは一般市民の率直な反応なんですが、 アメリカ軍の空爆などによってタリバンが崩壊してアルカイダが掃討されたという点 については市民は感謝している。しかしその結果、北部同盟が舞い戻ったことについては、 市民は不満に思っているわけです。北部同盟は、今回政権の中枢に戻るにあたって、 今までのようなことはないと言明していますが、やはり航空観光相の暗殺 事件に見られるように、依然として体質は本質的には変わっていないのではないかというところに問題があります。
山崎拓: そもそも暫定行政機構は北部同盟と元国王派など諸派を糾合して成立しているわけで、 そこに難しさがありますね。
田中浩一郎: そうですね、もともと寄せ集めの状態、個々もばらばらです。これをつなぎとめておくためには、 実は内部の力、内部の努力だけでは到底無理で、やはり外部の力が作用してはじめてつなぎとめることができるということです。 日本もそのひとつであると思いますが関係国、アメリカ、欧州、ロシア、近隣のイラン、パキスタンなどの協力を取り付けて、外部から固めるという作用 を及ぼす必要があります。  
3点目に、未だにアフガニスタンの北および東南の方でそれぞれ軍事衝突、 まだ大規模なものとまではいきませんが、部隊同士の衝突が発生しています。 これはいろいろな側面があって、ひとつは暫定行政機構を構成している北部同盟の内部対立もありますし、 暫定行政機構の中の閣僚同士の対立が代理戦争となって地方で勃発しているものもあります。  
地方においては、そこの有力者同士が覇権を競って対立している構図もありますし、 またある特定の地方とその隣接する地方との主導権争いもあります。中央の暫定行政機構の影響力は、必ずしも地方には浸透しておらず、中央に対して地 方が謀反を企てるという動きすら見えています。
山崎拓: 軍事衝突がなかなかやまないのは、カルザイ政権の指導力が発揮されてないということですか?
田中浩一郎: 端的に言って、そうです。彼自身の影響力、指導力は皆無に等しい。 彼の政権はアメリカなど西側社会のメディアに露出することによってかろうじて維持されているわけで、 軍閥と対峙するだけの国内での基盤はもともとありません。現在までのところ彼の時間はほとんど外遊に費やされていて、国内各地を回って自分の存在と暫定行政機構の機能を広めていくための活動はまだ行っていません。
山崎拓: 彼の任期はいつまでですか?
田中浩一郎: 現行の取り決めでは6月の20日過ぎまで、21日か22日というのが区切りになっています。
山崎拓: それから先はどうなりますか?
田中浩一郎: 改めて移行政権というのが発足することになっていて、その移行政権でも同じように議 長か大統領か首相というヘッドがひとりいて、その下に内閣が組織されることになります。
山崎拓: それは大変難しいですね。われわれも政党政治をやっていて政党の基盤がないと政治を動かしようがないんですが、 カルザイ氏に政権基盤がないと苦しいですね。


日本の中立国としての独自性が 発揮されるべきでは

田中浩一郎: はい。北部同盟の方はもともと軍閥として発達したわけですが、将来を見越 して政党を立ち上げる準備をしています。一方、カルザイ氏やローマに亡 命中のザヒル・シャー元国王を擁立するグループ側が、政党なり政治グルー プを結成する動きはまだ起きておりません。
山崎拓: 出遅れていますね。今の暫定政権は各派の代表の集まりですが、それぞれが政権に加わっているという意識が薄いのでしょうか?  
田中浩一郎: ボン会議の合意に署名したアフガン人の代表は、必ずしもアフガン全 土を代表していたわけではありません。限られた人たちが署名したのであって、 それ以外の人間は自分たちを排除しているという印象を持っていることが課題として残 されていたわけです。ボン会議そのものが群雄割拠を容認してしまったとも言えます。 この状態は、94年の秋にタリバンが出現する間際、その前夜の状況に構造的 によく似ています。
山崎拓: 明確に反体制の立場をとっているグループもありますか?
田中浩一郎: 言葉のうえでは暫定政権を支持するとか従うとか言っていますが、 実際のところは自分たち(軍閥)の支配を徐々に確立しています。端的な例では国際治安支 援部隊を受け入れるという点に関して、総論では賛成であるが、自分が管轄する所は治安が保たれているから不 用であるというような態度を取り続けていたりするわけです。  
こういう問題は当初から予想されたことで、もっと早い段階、たとえばボ ン合意ができる段階でこういう部分もちゃんと対処されていれば様子も違ったんでしょうが、 残念ながら後の祭りです。平和があり、国民を代表する政権があって、初めて復興も進 み復興支援もあり得るということをアフガン人、関係国が今一度再確認する必 要があると思います。
山崎拓: 軍事衝突をこれ以上拡大させないための仕組みはあるけれども、強制力が働かないのでしょうか。
田中浩一郎: ボン合意の精神では、武装解除は基本的には暫定行政機構側、つまりア フガン側の自助努力に任されています。
山崎拓: 何かいい知恵はないでしょうか。この分野での日本の貢献は限られますか。
田中浩一郎: 東京会議において日本側が5点ほど復興支援における優先課題を挙げていますが、 武装解除の促進ということについて日本がもう少し言ってもよかったのではないかと思 っております。この点は残念です。何も自衛隊を出して武器を狩り集めるということでは必 ずしもなく、いろいろな形でインセンティブを与えて不要な武器を回収していくという方策がありますので、 そういうものに対する支援を出してもいいのではないかと思います。アフ ガニスタンに以前から関与している国では難しいのです。たとえばアメリカ は今現在軍を展開させていますし、イギリスも国際治安支援部隊に関与しています。 こういった国が武器回収をしようとすれば、あるいはそれを促進しようとすれば、 やはり自分たちにとって都合がいいように武器を狩り集めるのではという猜疑 心が生まれます。日本のように直接に関与していない国、軍事的に関与していない国、 政治的な野心を持たないと思われているような国であれば、武器を平等に狩り集 めるということはそれなりに重みも持つでしょうし、信頼も生まれるのではないかと思 います。日本の独自性が発揮されるべきではないかと思います。それは軍 を統合し武装解除を進めることにも寄与するはずなのですが。
山崎拓: ただ武装解除支援プログラムを支援するといっても、自衛隊が出ていって武器を渡 してくれと言って、すんなりいくかどうかわかりませんし、お金を出すから武器を売ってくれと言って全 部回収したところで、集まった武器が狙われる危険もありますね。
田中浩一郎: お金を渡して買い上げると、結局またそのお金でまた武器を買ってしまうんですね。ですから何らかのインセンティブ、 何かに対する対価である必要はあるんですが、それを過剰に持つことができないもの、 過剰に持ってそれを売ることができないものである必要があると思います。
山崎拓: 具体的には現地では何ですか?
田中浩一郎: 地域によって、都市部であるとか農村部であるとかによってそれぞれ要 件は異なるんですが、たとえば地方であれば武器何丁に対してひとつの家屋をつくるとか、 納屋をつくるとか、井戸を掘るとか、過剰にあってもそれを売り払うことができないようなもの、 対価で武器を改めて調達してしまうようなことがないようなものに変える必 要があると思います。
山崎拓: せっかく東京会議を開き、日本の資金の拠出額のウェイトも高いのに、 現地ではあまり評価されないというのでは、今後の国際貢献の進め方としてあまり賢明ではないと思 いますので、今日ご指摘があったようなことは相当積極的に取り組んでいく必 要があると思います。またNGOとのコンビが非常に重要ではないかと。
田中浩一郎: 実際の現場に政府が直接出ていくことは、要員の経験上、数の関係 上、効率上からもできないでしょうから、最終的にはいろんな形でNGO に参加してもらって、彼らの意見も聞き入れて、独自性も生かしてもらって、 いろんなところに入っていただくのが能力の効率的かつ有効な使い方であろうというのは間違いないと思 います。



NGOは財政基盤が必ずしも確立していない、潤沢でない

山崎拓: アフガンでの国際的なNGOの活動、そのなかで日本のNGOの活動というのは、 どのくらいのウェイトですか?
田中浩一郎: 私が承知している限りでは、日本のNGOのアフガニスタンの展開で歴史の古いところは数が限られていたと思います。ジャパン・プラットフォームに参加されているような方々がイスラマバードなどに来て、私がお目にかかるようになったのも去年の夏ごろからです。  アメリカを含め欧州などの国際NGOの数は多く、活動も活発ですが、現場で混乱が生じることもあります。NGOもいろいろ縄張りがあって、自分たちがすでにやっている地域に同じような競合相手がよその国から出てくるというのは必ずしも歓迎しないようで、そのような苦情めいたものは時々耳にしました。そういう現場での駆け引き、生臭い話など、さすがに妨害行動はないと思いますが、必ずしもNGOが出ていくからといって、それですべてがすんなりうまくいくとは限りません。 支援側も調整をしっかりやっておかないと、現場で対立も招くと。
山崎拓: 日本のNGOはどのくらい入っているんでしょう?
田中浩一郎: 最近いろんなところで名前を聞くようになったところを合わせると1 0団体ぐらいじゃないでしょうか。今までは緊急人道支援に関わるようなことをされている方が主だったと思 います。難民が何かで困っているときに衣食住のどれかをを手当てする、支給するという方面の活動が多くあります。
山崎拓: 難民支援ということですね? 難民でない、住民支援というのは?
田中浩一郎: 国内でたとえば衣食住に困っている、あるいは戦災など内乱に巻き込まれて居住地やら農地を放棄してこなければいけなかった人たちがよそに移った場合に、彼らにシェルター、家屋、簡単なテントなりを支給したり、あるいは食料を配布するという活動も行っています。
山崎拓: 日本の活動は、10団体で国際社会全体の何%ぐらいあたります?
田中浩一郎: ペシャワールというパキスタンの都市に、こういった国際NGOの横の連 絡会があって、そこに所属している団体が350ほどあるんです。もちろんこれがすべてではありませんが、その中で日本の10数団体というのは少ないように思います。
山崎拓: 350というのはほとんど欧州ですか?
田中浩一郎: 欧米系ですね。イスラム諸国から派遣されているようなNGOは、 また別の連絡協議会を設けていて、そちらも加盟数は200とか300ほどあります。
山崎拓: けっこう盛んなんですね。それはアフガニスタンだけじゃないですね。 イラン、パキスタンとか。
田中浩一郎: はい。
山崎拓: ジャパン・プラットフォームのようなNGOに日本政府が支援してますが、 「草の根無償資金」を供与しており政府の手足みたいになっているところがあります。 それはそれでいいんでしょうか。独立してやらせるべきという考え方もありませんか。
田中浩一郎: たぶんNGO側のほうの心情としても、プログラムを作成したり、 自分たちの活動を決めるのは自分たちが主体的に行いたいということは常にあると思 います。ただそこで問題になるのはNGO側の財政基盤が必ずしも確立していない、 潤沢でないということで、今おっしゃられたように草の根無償などの政府 資金に頼らざるを得ない。ときに出す側としては、政府としての意向なり、 外務省としての考えなど、要望を押しつけるケースもひょっとしたらあるのかもしれません。 それが摩擦のもとになっているような印象は受けます。



日本がより積極的に多国間調整に動いていける立場になった

山崎拓: やっぱり国連が中心になったほうがいいと思いますけど。ベースに国連があったほうが……。
田中浩一郎: そうですね、プログラムを立ていろんなことを支援していく中心は国連 でやったほうがいいと思います。ただ、今の暫定行政機構の偏り、民族的 な偏り、勢力的な偏りが一向に解消されないという点で、最大民族であるパ シュトゥン人のあいだで国連に対する不満が高じてきています。この6月に伝 統的な民族会議ロヤジルガを開催することになっていて、これはもともと、 どちらかというとパシュトゥン人のお家芸みたいな会議ですので、この会合においてパ シュトゥン人の意見がそれなりに代弁されればいいんですが、それが行われないとパ シュトゥン人の疎外感がますます強まって、ボン合意以降を取り仕切っている国連 に対する不満が強くなる。そしてますます暫定行政機構の勢力基盤は狭いまま、 地方に根付くこともなく、その後は不安定になっていく危険性があります。
山崎拓: 武装解除とか軍隊の軍事衝突の回避がうまくいかない場合、PKO部隊を投入することもあるでしょうね。
田中浩一郎: 当面のところは、そこまでは話が進まないと思います。ただし、派 遣する場合、まずどこが出すかという話になりますね。現在治安維持部隊に関してもカ ブール以外の所に展開しようにも、派遣する国が名乗りをあげないような事態で、 ひとつは費用負担の問題でもあるんですが、やはり戦闘に自分たちが巻き込まれる危険性があるということです。
山崎拓: 前途多難ですね。
田中浩一郎: 東京復興会議を開いて成功に導いたのは大きなプラスではありますが、より現実的に復興支援を推進するということで政治的枠組の中に日本が飛びこんでいく良い機会になったと思います。日本は、今後の政治的枠組を改めて固めるための会議 、あるいはそういったフォーラムに参加する切符を手にしたんだと思いますので、日本がより積極的に多国間調整に動いていける立場になったのではないかと思 います。
山崎拓: 東京会議の成功が本当の意味での成功になるようにしなければなりませんね。
田中浩一郎: アフガニスタンの安定を回復する上で、ぜひ政府としてもフォロー アップをお願いします。
山崎拓: ご活躍を祈ります。ありがとうございました。

(2002年2月27日 山崎事務所にて)