(2002年2月28日 山崎事務所にて)


もっと子どもを産みやすい環境をつくるほうが少子化対策だと

山崎拓: 知事に当選されてからお目にかかるのは初めて……。
堂本暁子: お顔を合わせることはあっても、お話しするのは久しぶりですね。とっても楽しいわ。国会にいた頃は毎日のようにお会いしてたから……。お忙しいでしょ。
山崎拓: 堂本さんこそ、忙しいでしょう。
堂本暁子: 私が一番知事になってうれしいのは、自社さ(自民・社民・新党さきがけ連立)時代に山崎さんたちと一緒につくった法律が、まさに全部今、施行段階になってることなのです。NPO法しかり……。
山崎拓: NPO法ね。
堂本暁子: それから男女共同参画社会基本法。官邸で覚えてらっしゃる?「政調会長、ここのところ約束してください」って紙をお渡ししたりして、土井(たか子社民党党首)さんとぎりぎりぎりぎりやりましたね。
山崎拓: あれは、官邸の小食堂でしたね。
堂本暁子: そうです。よく覚えてらっしゃる。あのレンガのところで(笑)。あの自社さ時代の法律が今実施されてるんです。あの官邸の小食堂のあの一瞬のお陰であの基本法はできたと、今でも感謝しています。日本中の女性たち、元気になったと思いません?
山崎拓: そうですね、すごく女性の進出が目立つようになりましたね。閣僚の数も増えました。今度ひとり減りましたけど。
堂本暁子: 減っちゃった(笑)。たぶん男性の政治家と女性の政治家でちょっと違うものの見方をするから、やはり女性が元気になるのは良いことだと思います。たとえば、少子化というと、男性はやたら保育園の待機児をなくすべきだとか発想しますね。でも私は、もっと子どもを産みやすい環境をつくるほうが少子化対策だと思うんですね。女の人たちが、自分のパートナーと楽しく、そしていきいきと仕事もしながら、仕事をしなくてもいいと思うんですが、どんな生き方をしていても、そこで子どもと一緒に生きていくことが楽しいという雰囲気があれば、自分たちの子どもも大事にしていこう、子どもを産もうということになると思うんです。男女共同参画社会基本法は個人の個性や能力を活かしていきましょうという主旨の法律だから、女性にとっても男性にとっても生きやすい社会を目指している。少子化対策の基本は、あの法律だと考えています。日本中でみんなが元気になってくると、待機児を吸収するよりはずっと効果があると、女性の政治家としてはそう思うんですけどね。
山崎拓: なるほど。
堂本暁子: あの時が「先」につながってたんだなと、つくづく思っています。
山崎拓: そう、当時の「先」が「今」になってますね。



バイオの分野に力点を置いて県勢の振興をはかるというのは、すばらしい着眼

山崎拓: どうも新聞を見てると、産廃の問題への取り組みを大変大胆にやっておられるんですね。さすが環境の専門家だなと。
堂本暁子: 千葉県ではゴミの問題は深刻です。これからの日本の大問題になっていくだろうと思っています。環境だけではなく、経済の有り様なんでしょうけれども。国としても全体の方針をそろそろつくる頃なのかなと、とても強く感じているところです。
山崎拓: リサイクルの問題もあるでしょうし。
堂本暁子: 5月から建築廃材のリサイクル法が施行されますが、これもだいぶ効果があるかもしれません。何しろ建築廃材が一番大きな問題ですから。
山崎拓: そうですね。
堂本暁子: これからは、大量消費型から循環型社会に転換して、なおかつ経済も活性化しなくてはいけない。
山崎拓: そうですね。いままでのやり方ではだめだということは小泉構造改革の基本理念ですが、特にそういった環境問題などはいままでウェイトが低かっただけに、すべての分野で環境対策の要素を入れてやっていかなくちゃならないということじゃないでしょうか。
堂本暁子: そういうふうに言っていただくと、とても心強いです。それこそが「緑の行革」で、そうするとゴミが出なくなると思うんですね。  
話は環境から離れるんですが、いままでは工業の時代でした。たぶんこれからは生物産業です。アメリカは進んでいて、日本のほうが遺伝子分野では遅れているかもしれない。しかし、日本は新しい技術の可能性がいっぱいあるんだろうと思うんです。国のレベルでいっぱい科学関係の予算をつけておられるので、新しい生物産業の集積が千葉でできたらいいなと、今思っているところです。
山崎拓: そうですね、それは千葉県の特色になると思います。なぜかというとほとんどの県がITで地域振興をやってますから、地域振興をバイオで考えるという県は聞いたことがないので、バイオの分野に力点を置いて県勢の振興をはかるというのは、すばらしい着眼だと思います。
堂本暁子: 千葉にはDNA研究所がありますので、地域振興としてやりたいですね。できれば千葉だけではなくて日本国として、遺伝子関係の産業が遅れないようにしないとだめですね。
山崎拓: そうですね。今平成14年の予算を審議してますが、そのなかで伸びているのは科学技術振興費だけです。4.8%だったかな……。
堂本暁子: そんなに伸びるんですか。あら、うれしいわ。
山崎拓: ええ、全体の予算は一般会計で1,7%マイナスですし、一般歳出は2.3%マイナスで、ほとんどマイナスになっているわけです。公共事業費が特にそうですし、社会保障費は3.8%に伸びてますが、科学技術はそれ以上に伸ばしてます。そのなかのメインがITでありバイオであり環境で、堂本さんの一番得意な分野が中心になってますね。
堂本暁子: 得意というわけでもないんですが、やはり時代の要求なんだろうと思うんですね。
山崎拓: そうです。7項目重点事項の中に、バイオもITも全部科学技術振興だけど、わざわざ独立して掲げているんです。



もうそんなことを言っていられない、時代が変わってきたんだから

堂本暁子: 先ほど話が途中になりましたが、千葉県は廃棄物の問題がとても深刻です。私が国会議員をしていたときは、こんなに日本の廃棄物が問題だとは気がついていませんでした。たとえば千葉港に船が着いて、そこからトラックが130台ぐらいゴミを積んでドーッと捨てに来る。こういう形で(写真を見せながら)捨てられてるんです、すごい勢いで。ひどいでしょ。しかもゴミの上に土をかけて、わからなくしちゃう。産廃の島として世界的に有名になった香川県の豊島のゴミが50万m3ですが、千葉県全体は今1000万m3です。桁が違います。それだけならいざ知らず、ぼうぼうぼうぼうと燃えるんです。こういうふうに(廃棄物が燃えている写真を見せる)。なかには2週間も燃え続けたところもありました。なぜならホースが届かないんです。もし民家に燃え移ったら、それこそ夜中にでも燃えて火事になったら、犠牲者が何人でるかと思って足がすくみました。幸いここは民家と遠かったんですけど、私が知事になってからもう7回もこういう大きい火事が起きているんです。その度ではありませんが、最初の火事の時には、警察署長よりも私のほうが現場に先に飛んでいきました。自社処分なんですが、今の日本の法律では規制できないんです。
山崎拓: 自社処分場というのは、一応許可になってるんですか?
堂本暁子: いえ、1時間に200kg以上燃やす所は許可を必要とするんですが、それ以下の所は許可が必要ないんです。だから180kgぐらいの小さな炉を置いて、これは自社処分だと称すると、何も法の規制がないんです。自分の所で出たゴミだと言って、実際は外からのゴミを捨てに来るわけです。そこで50kgから200kgの間の小さい炉でも許可制にするという条例を県議会に提案したところです。  でもこういう不法投棄で捨てられる産廃の9割が県外から、特に東京から持ち込まれる。24時間の監視パトロールもやっていますが、県民の生命、財産に危険が及ぶような形でこのようなことが続いているのはとても怖いことです。先ほど、大木(浩・環境省)大臣にお会いして、条例を出したので、国のほうもぜひご協力いただきたいというお願いをしてきたところです。
山崎拓: なるほど。ここに(地図を示して)集中してるんですか?
堂本暁子: はい、市原が一番ひどい。千葉県全部で800ヵ所ぐらいの所に捨てられてて、もう際限ないですね。でもそれは千葉県だけの問題ではなくて、おそらく日本中の問題だと思います。絶対量が出るわけですから。どう処理するかが、これからの課題です。千葉には川鉄とか新日鉄とか鉄鋼メーカーが多いわけですが、これからは環境ビジネスにも乗り出して欲しい。また、国のレベルで、リサイクルするもの、リユースするものがきちんと整理されてくると、今のように危険なものをやたら捨てるということが減るかもしれません。
山崎拓: 環境省になって、国の環境行政はどうでしょうか、まだかなり問題がありますか?  
堂本暁子: 廃棄物の問題に関してだけ言えば、物足りない。
山崎拓: 強化されつつあると思いますが、まだまだ物足りない?
堂本暁子: ええ、川口(順子・現外相)さんとはこれまでもいろいろ一緒にやってきましたから、まず川口環境大臣(当時)の所へすっ飛んでいって、廃掃法をもっと強化していただきたいとお願いしたんです。だけどあれは業の許可をする法律なんです。だから、大気汚染法とか水質汚濁法のように横出し、上乗せはあいならんというのが国の立場だったんです。  
でももうそんなことを言っていられない、時代が変わってきたんだから。自分で出したものは自分で処理する、理屈としてはそうなんで、私も国会で法律改正には賛成しました。廃掃法の改正ではマニフェストを義務づけたりしましたが、みんな良心的な性善説に立った考え方ですね。自分の工場で出したものは自分で処理するという枠組みは正しいと思うのですが、実際にゴミを危険な形で積み上げている人たちは、法律を逆手にとってこれは自社のものですと言うわけです。千葉県内に自分の処理場の土地を買って、自分の持っている土地に捨てるんだから何が悪いという理屈がまかり通っています。みんながモラルを守ればいいけれど、法律を逆に悪用してしまう悪質な業者を逮捕できるような法律に変えなきゃならない。日本の法律は整然とできてるから、なかなかそこのところが難しいですね。でもやはり時代のニーズに合った、国民ひとりひとりの生命と財産を守る法律の形態にどうやったらできるか、これから考えていただきたい。ぜひ国のレベルで、山崎さんが幹事長として大いにやっていただけたらうれしいんですけれど。


今の憲法の中に環境という言葉はひとつもない

山崎拓: ええ。今、京都議定書の批准など国際問題のほうに環境行政の焦点が移っているので、当然関係はするでしょうが、もう少し国内環境問題をきめ細かくやったほうがいいでしょうね。
堂本暁子: ええ、 そう思います。 やっぱり日本は、中国とかロシアとかアメリカと違って、そんなに国土が大きいわけじゃないし住める所も、峻険な山なんかが多いですね。だから日本は国土を大事にすべきだとつくづく思います。 ゴミを谷間とかに捨てると、そこは必ず川の上流付近なんです。有害なモノが水道に入ったり、下流の農地を汚染したりする危険もあるし、何と言っても見苦しい。  
成田空港に降りる外国の方が、前はとっても千葉は自然が美しかった、最近はどこへ行ってもゴミばかりだとおっしゃったそうで、日本の表玄関を持っている県としては、いささか残念な感想です。房総のほうに行きますと、海が美しいし花がいっぱい咲いています。でもその脇に廃棄物がドカーン、ドカッと山積みされているわけです。日本人のモラルの乱れも、外国の人には見えてしまう。これはやはり何とかしなきゃいけないなと、つくづく思っているところです。
山崎拓: 前に登山家の野口健さんと対談したんですが、山の上はゴミだらけだそうです。各国の登山者の中でヨーロッパの国々の人はちゃんと持って帰る、ところがアジア系の登山者の人はほったらかしてくると言うわけです。日本人の登山家は全然マナーを身につけていないと彼が言ってましたけど。そのゴミが実はだんだん堆積して、それが川に流れていく。
堂本暁子: 氷河に乗っかってくるんですね。
山崎拓: 川上の人がそれだけマナー、モラルを身につけないと、川下の人は生活できなくなっちゃうんで、これは実は知られていない大変な問題だと言ってました。
堂本暁子: 本当に。
山崎拓: スケールの大きい話ですが、共通したところがありますね。
堂本暁子: 日本の国内で平気で捨てててるから、ヒマラヤに行って平気で捨てることになってるんだろうと思いますね。
山崎拓: 遅れてますね。環境後進国というか、中進国ぐらいまでいったかもしれないけど、日本は先進国ではないですね、環境問題では。
堂本暁子: 残念です。やはり子どもたちの環境教育が大事だという気がします。
山崎拓: 私は憲法改正論者で、ここは堂本さんとちょっと違うかもしれませんが、今の憲法の中に環境という言葉はひとつもないんです。
堂本暁子: 私はそこは憲法改正で唯一賛成のところなんです。環境が入っていないのは気に入らない。
山崎拓: 価値観が現行憲法がができたときと違ってますから、環境を入れなきゃだめですよ。憲法にないことを守れと言ってもなかなか難しいので、環境を守る義務をはっきり書かなきゃいかんと思うんです。
堂本暁子: わあ、うれしい(手をたたく)。これはもう絶対……。
山崎拓: 私がそれを言うと、9条を変えるために、その入り口としてそれを言ってるんだと誤解する人がいるけど、これはこれ、あれはあれで、環境は環境でと思いますよ。
堂本暁子: ぜひ憲法に高らかに謳うべきだと思います。



あくまでも市民の主体性を尊重する

堂本暁子: それから、NPO法をあれだけ苦労して作ったのに、知事になって行ってみたら、千葉はとてもNPOの遅れている県でした。ところが、NPOも活躍してくださいと言い出したら、雨後の筍のごとくできてくる。認証を取りましたとかってあちこちで声をかけられるぐらいに、どんどん増えてるんです。  
環境の問題とか福祉の問題、町づくり、居住空間の問題、これは行政でやるよりは、市民が自発的にやり始めたほうが良い時代になったなと、つくづく今思います。NPO法は、3年かかってみんなで苦労して通しましたが、その甲斐があった。これからは、市民と行政のパートナーシップで環境の問題などを解決する時代に入っていると思います。  それから福祉のことも、ご飯を運んだりするのもいちいち行政のほうで決めて、上から下におろしてやるんじゃなくて、近所の人たちがみんなで寄り合って町をつくっていく、そんな雰囲気ができたら良いなと私は思っているんです。千葉県には村もいっぱいあるので、村を大切にしたい。福岡県も村がいっぱいありますか?
山崎拓: いっぱいありますよ。僕の選挙区にはないけれど。かなりありますよ。
堂本暁子: 村おこしを村の人たち自身が始めると、とってもユニークになってくると思うんです。NPOは新しい流れを創り出すパワーになりますよ。
山崎拓: NPO法案をつくるときに、一番問題になったのは設立要件に公益性を入れるか入れないかでしたね。
堂本暁子: ええ、そうでした。
山崎拓: 今知事におなりになって、公益性の観点は大事だとお思いになりませんか?
堂本暁子: 公益性は大事ですが、言葉としての「公益」はやはり使わないほうが良いと、今でも思っています(笑)。
山崎拓: そうですか(笑)。
堂本暁子: 一番意識改革が難しいのは県庁職員ですね。この問題については脈々と戦後50年間、民法34条の公益性を守るために許可、認可、規制が、お上としての自分たちの仕事だと思ってやってきた。そういうプライドもあれば意識もある。それが今度はこれは許可、認可じゃないんですよ、あくまでも市民の主体性を尊重するんです。だから公益は大事だけど、いわゆる「公益性」の概念や発想を切り替えるべきだと言っても、最初はなかなかわかってもらえませんでした。
山崎拓: 僕はまだ……。
堂本暁子: まだこだわってるんでしょ(笑)。当時と同じですね。
山崎拓: いやいや、そうではないNPO、公益どころか反公益の連中がNPOをかたっている組織というものが存在してるからですよ。
堂本暁子: あの時、ずいぶん宗教団体とか暴力団とかいろいろ問題にしましたけど、実際出てきたでしょうか?
山崎拓: なかには、変なのがあるんですよ。それを僕らは警戒して……。NPOといえば、すごく大手を振って通るというような風潮にあるものですから、流行ってますからね、危ないですよ。だけどそのネガティブな面だけを言うとNPOが育ちませんから、肯定的に取り組んでいかなくちゃならんけど、そういう組織があることは事実です。
堂本暁子: 市民、県民がきちっと情報公開させて、NPOをウォッチングするNPOができなきゃだめなんです。
山崎拓: そうですね。
堂本暁子: そういう団体は行政が排除するんじゃなくて、市民、県民、国民がみんな排除していくというふうになるのが本当なんです。そう考えないと、公益性の議論に逆戻りしちゃうような気がします。逆戻りというと幹事長はおいやかもしれないけど、言葉としての公益性に戻ってしまう。さっきのゴミもそうですが、性善説でいくのは難しいですね、確かに。
山崎拓: NPOは環境の分野でも活躍してますか?
堂本暁子: ええ、ずいぶん参加してくれています。
山崎拓: そうですか。それはいいですね。
堂本暁子: 東京湾の一番奥に残った三番瀬という干潟を守るNPOがいくつもあります。三番瀬は埋め立てる予定だったんですが、私は埋め立てをもうやらないということを言いまして、その代わりにNGOの人たち、学者、一般の市民、市も県も国も環境省も国土交通省もみんな一緒になって、ここをどういうふうに自然を守るか、どう再生していくかを検討する作業を始めたんです。公共事業をやめるだけじゃダメで、じゃあその先をどうするのか、それをNGOの人たちと一緒になってやっています。
山崎拓: なるほど。
堂本暁子: こうした試みは日本で初めてです。果たしてうまくいくかどうかわからない。でもうまくいったら新しい自治体の公共事業のあり方が見えてきます。
山崎拓: そうですね。
堂本暁子: 情報も検討会も全部公開してやってるんですが、1年ぐらいでこの先のプランをつくらなければならない。新しい発想でみんなが議論していくと、いままでただ反対、反対と言っていた人たちだけでは前に進まない。自分たちで提案しなければならない。それが大事なことです。
山崎拓: そうですか。三番瀬は自治の実験なんですね。
堂本暁子: 山本周五郎の小説に出てくる「青べか物語」っていうのがありますが、あれは浦安で、かつてこのへんは漁師町で、海苔をつくっていた。そこを埋め立てていって、ディズニーランドもまさにその埋め立てた上にあるんです。東京湾のなかでは最後に残った自然で、鳥がいっぱいきます。みんなバードウォッチングして。
山崎拓: それはいいですね。
堂本暁子: ええ。
山崎拓: 江戸川の河口にあたるんですね。水はちゃんと浄化されてきてるんでしょうか。
堂本暁子: きれいなのもあるし、汚いのもあると思いますが、下水は必ずしも浄化されているとは限らないですね。江戸川からのヘドロもあるし、それをこれからどうするかも問題になります。
山崎拓: ある程度堆積してるでしょうから。
堂本暁子: ええ、してます。そうです。



地方から新しい発想が広がっていくことを

山崎拓: ところで、堂本さんから受け継いだハビタット(HABITAT・国連人間居住計画)を応援する議員連盟の会長職ですが、国連の出先機関を福岡に置きまして。
堂本暁子: どうですか?
山崎拓: 福岡に拠点を置いて、なかなか活動してますよ。
堂本暁子: ああ、よかった。あれは国連の機関ですけど……。
山崎拓: NGOと同じようなものですね、国連の機関ではあるが、国際貢献の面ではすごくNGO的ですよね。
堂本暁子: それはよかったですね。
山崎拓: 地域の理解がありますから。国際都市を目指している福岡としては、地元にある唯一の国連機関ですから、すごくみんな大事にしてます。アジア地域、もちろんアフガニスタンも担当してますから、すごく脚光を浴びてます。
堂本暁子: それはよかった。
山崎拓: ハビタットはアフガニスタンについて割合前からよくやってたんですね。それが、9月11日の事件が起こりましたので一層拍車がかかって……。事件が起こる前はタリバンと協力してやってたんです。  
今はタリバンがだめになりましたから、新しい枠組みで活動しようとしています。
堂本暁子: 日本にはなかなかハビタット(居住環境)という概念がなくて、居住地域とか住むということとか、町づくりというコンセプトはあっても、最低限度の生活の場をどうやってきちっと守っていくか、援助していくかという考えが少なかったと思うんです。地方から新しい発想が広がっていくことを期待しています。
山崎拓: 非常に新鮮な感じを持ってるんです。日本は先進国ですから、最低の居住問題は少ないですね。でも、福岡に拠点があって開発途上国の問題を解決しようということは、極めて意義は大きいと思います。
堂本暁子: ええ。海外のことに取り組む拠点があることによって、自分自身の居住空間とかゴミの問題とか町づくりまで、気がつくこともいっぱいあるかもしれませんね。海外に出て逆に自分のことに気がつくということもあるわけですから。向こうの人たちと親しくできる機会も増えるでしょうし、よかったわ。山崎さんに会長になっていただいて。
山崎拓: 本当の実力者の堂本さんがいなくなっちゃって困ってるんだけど。
堂本暁子: いえ、いえ。山崎さんの地元の福岡で頑張ってるなんて素敵ですわ。だから何も中央で、東京で展開することないのよね。
山崎拓: 中央はやる仕事がたくさんあるから、目立たないんです。福岡だと、ほかにないから、みんな珍しく新鮮に思うんですね。一生懸命みんな育てようとしますから、いきいきとやってますよ。
堂本暁子: ああ、よかった。
山崎拓: 根付いてますよ。
堂本暁子: もしかしたらと最初心配しましたが、安心いたしました。また大会などもやることもあるかもしれませんね、ハビタットの会議なんかがあったら、今度は知事として呼んでいただいて。
山崎拓: ええ、そうですね。
堂本暁子: 行きます。
山崎拓: ぜひお願いします。
堂本暁子: お会いできて良かった。久々に。当時のお礼を言わなきゃいけない心境でしたので、ありがとうございました。お身体お大事にね。それだけが一番心配。橋本(龍太郎元総理)先生が入院なさったと聞いたから。
山崎拓: ええ、びっくりしましたよ。橋本さんと同年なんで、自分のことも心配しなくちゃいけないなと思うんですけど。
堂本暁子: ほんと、ほんと。お身体が何より。お目にかかれて、うれしゅうございました。
山崎拓: こちらこそ、ありがとうございました。

(2002年2月28日 山崎事務所にて)