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月刊 「福岡2001」 21世紀の国づくりに、アイデンティティーの確立を
−福岡が"地方の時代" をリードする−
月刊「福岡2001」 2001年1月号掲載  
 
衰亡の兆しと変革への熱望  
21世紀の扉を開く2001年は、格段に、変革への予感をもって迎えられる新年となることでしょう。それは新しい世紀が始まることへの"漠然とした期待"ではなく、政治・行政・産業・医療・教育…と、あらゆる分野で変わり目に来ていることからくる"変革への熱望"だと思います。  
 
20世紀は日本にとり、良きにつけ悪しきにつけ、大発展を遂げた世紀でした。明治維新以降、20世紀前半は「富国強兵」を国家目標に日清・日露・太平洋戦争と戦争史を刻み、戦後の20世紀後半は一転して、もっぱら経済のみに特化し「所得倍増」や「日本列島改造論」に象徴される通り、一心不乱に「経済成長」だけをモノサシとして歩み続けてきました。いづれにしても国家的大目標が明確に存在したのです。  
 
ところがバブル崩壊を経た90年代、経済の落ち込みとともに日本中にいっきに将来への不安が広がり、21世紀の日本は衰亡の一途をたどるのではないか、との見方が蔓延し始めました。  
 
衰亡のきざしとは、経済の停滞、財政破綻や少子高齢化だけに見られるのではありません。  
 
さらに何よりも、社会規範の乱れが、社会システム全体への危機感を深刻なものにしています。  
 
その根っこにあるのが、アイデンティティーの崩壊ではないかと思います。(アイデンティティーとは、独自の存在・こころの拠り所であり、それが共同体として共有されていることです)  
 
1980年代半ば、まさに日本経済が絶頂期にあり、アメリカの政治経済が低迷していた時代に訪米する機会がありました。私は官房副長官として当時の中曽根総理に随行したのですが、元総理はアメリカ議会を相手に、「アメリカには、フロンティア・スピリット、ピューリタリズム、そしてイノベーション・スピリットという、3つの偉大な国民精神があったはずだが、その精神はいったいどこへいってしまったのか」と演説し、なんと万雷の拍手を受けました。当時は、「日本は(アメリカとは異なり)一民族・一言語・一国家で、国民がまとまっている。アイデンティティーがあるから発展したのだ」と言われていたのです。ところがその後、たった10年あまりで、まったく立場が逆転してしまいました。  
 
これからスタートする21世紀は、"衰亡" の世紀にならないよう、なんとしても "心豊かな繁栄" の世紀にしなくてはなりません。そのためには新しい国家目標がぜひとも必要です。国家目標とは国民全体で創るべきものですから、国家の基本を定める憲法の改正論議を通じ、アイデンティティー、すなわち国のかたちと国民精神のあり方について、国民全体でしっかり議論し、合意することが重要だと考えています。  
 
そして国家のアイデンティティーを論じると同時に、個人個人、家族、地域コミュニティーがそれぞれのアイデンティティーをしっかりと持ち直すことから始めなければなりません。  
 
 
福岡の強烈なアイデンティティー  
福岡には、すでに強烈なアイデンティティーがあります。  
 
連帯感と結束により人々の力が何倍にも発揮され、街にパワーが溢れているのを感じます。  
 
全国的に有名な博多山笠やどんたくなどの祭りがあり、大相撲もプロ野球チームもJリーグ・サッカーチームもあります。皆で楽しめ、盛り上がれるから、一体感を持てるのではないでしょうか。最近の例では、ダイエーホークス優勝の熱狂ぶりを見ればわかります。2000年のV2リーグ優勝パレードには、2年連続引き続きでありながら、前年を一万人上回る43万人もの観客が集まりました。東京首都圏で6年ぶりのジャイアンツ優勝パレードに集まったのが40万人ですから、人口比を考えれば、いかに福岡の人々が一丸となって地元球団を支えているか、その結束ぶりが伺えます。街全体で何か共通の目標を掲げ、それを皆で成し遂げるうちに、一体感と達成感が無意識の内に高まっているのではないでしょうか。  
 
また福岡は「アジアの交流拠点都市」を標榜し、アジアの国々との交流を深めるさまざまな仕掛けを行うことで、しっかりと独自性を打ち出しています。たとえば中国・韓国をはじめアジア各国からの留学生を積極的に受け入れ、「アジア太平洋こども会議」など草の根の交流が市民ボランティアの力で推進されていることは、全国的に見ても注目に値します。単に物理的な地の利のよさからだけでなく、福岡の人々がもつ開けっぴろげな気質、のびやかさが、このような活発な動きを生んでいるのだと思います。  
 
21世紀には、地方分権化とグローバル化がますます進みます。  
 
地方分権の時代とは、中央集権的・国主導でなく個性ある自治が求められる、つまり、他の地方との競争の時代です。ますます共同体としてのアイデンティティーが重要になります。  
 
一方で、グローバル化の流れも止められません。地方と海外との間で直に、人や物・情報・サービスの流れの垣根を低くして、外からの刺激をどんどん受け入れることが、活性化につながるのです。おそらく、外国人を地域社会の一員として迎え入れることになり、多民族化をある程度許容せざるをえなくなるでしょう。そのような時代だからこそ、日本人として、あるいは共同体としてのアイデンティティーをしっかり持たねばなりません。国際的視野と愛国心の両方を兼ね備えることが非常に重要で、それなしには国際社会で信頼され対等な友好関係を築くことはできないのです。「国際的視野」とは自らと自らの属するコミュニティを外の目を入れて見る客観性であり、「愛国心」とは自国の事しか考えず個人を犠牲にしかねない全体主義とは異なり、家族愛や郷土愛の結晶です。  
 
そういった大きな流れに着目するにつけ、ますます福岡の潜在パワーは大きいと信じます。  
 
魅力ある都市には人材・情報・資金が集まってきます。日本を代表する都市であるという自負、九州のリーダーとして九州全体を盛り上げていく求心力となる意気込み、そしてアジアとの交流を地道に率先し真の国際都市たらんとする使命感を原動力に、"ミニ東京"でない独自のアイデンティティーで地方の時代のモデルとなり、日本再生の牽引車となってほしいと期待しています。(余談ですが、個人的には"女性が強い"風土も福岡のポテンシャルを感じる理由の一つです。九州男児などと威張っているが、実は女性の力で支えられているのが実態。オリンピックでの女性選手の活躍に象徴されるように、21世紀が女性の時代となることは間違い有りません。)  
 
 
新しい政治への行動  
日本の政治も大変革のときに来ています。私は21世紀の国づくりのキーワードとして、「品格ある国家」「活力ある経済」「安心できる社会」を掲げてきました。ところが、社会道徳がぐらついてきて、とても国際社会から敬意を得られる品格を有するとはいえないし、経済は萎えてきて、老後や子供たちの将来にも不安が募る、そんな状況の下、今までの手法でやっていては日本はだめになる、との危機感を強くしています。  
 
この閉塞状況を打破するには、まずは子供の世代にツケをまわす財政赤字垂れ流しをストップし財政構造改革に責任をもって取り組まなければ、21世紀において日本の将来はないと考え、  
 
世紀の変わり目を機に、思い切った政策の大転換を目的とし政権交代に挑んだのですが、一旦失敗に終わりました。多くの皆様の期待に応えることができず、あらためて力量不足をお詫びしたいと思います。  
 
しかしながら財政再建への政策転換は一日も早くやらねばならず、改革を諦めたわけではありません。節度と気骨ある国づくりを目指し、憲法改正を通じて21世紀の日本の新しい国家目標を打ち立て、アイデンティティーを確立することに使命感をもって取り組んでまいります。皆で連帯し助け合って、いい国・誇りをもてる国にしようとお訴えし、行動し続けたいと思います。  
 
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