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ふくおか経済 「緊迫する世界情勢と日本の対応」
2001年11月号 ふくおか経済記事掲載 編集部 横山知佳
月刊地域経済情報誌『ふくおか経済』のHP: http://www.fukuoka-keizai.co.jp/  
 
山崎拓自民党幹事長 注目の新規立法は憲法を遵守  
山崎拓自民党幹事長は9月22日、「緊迫する世界情勢と日本の対応」と題して、9月11日に発生したアメリカの同時多発テロに対し、日本がどう対応するのか、その立法姿勢を講演した。これは財団法人福岡県中小企業経営者協会、福岡県産業振興協議会が主催し、財団法人九州ニュービジネス協議会、九州経済フォーラムが共催で、山崎幹事長、竹中平蔵経済財政政策担当大臣を招き開催したもの。その内容を一部抜粋する。  
 
 
秋の臨時国会ではテロ対策に3法の措置  
 
今までにない国際、大テロ事件が発生しまして、それに対応する政治問題に取り組む必要が発生しました。しかし、小泉構造改革を足踏みさせることは出来ませんので、構造改革はさらに一層拍車をかけて取り組みたいと考えております。  
 
今回の国際テロ事件への対応はもっぱら安全保障面が強調されておりますが、実は、経済問題も重要です。アメリカ側からは日本の経済面での貢献を強く求められておりまして、SOSを発していると言っても過言ではありません。日本経済がしっかりして、世界経済、とりわけアメリカの経済を支えていかなければなりません。  
 
 経済問題は別の機会に譲り、政治の問題、安保の問題について申し上げます。今度の国会では、いくつかの立法措置を考えています。テロ対策のための法整備を整え、国際社会に対しても、わが国も安保面での国際貢献をしたいのが狙いです。具体的には三法予定しており、一つはPKO法案の改正、もう一つは自衛隊法の改正、それから三つ目は国際テロに対する自衛隊の貢献に関する新規立法です。  
 
 
日本の最大の貢献は難民救済活動  
 
恐らく、近いうちにアメリカの軍事攻撃が始まります。その時日本にできる最大の貢献は難民救護だと思います。この難民への支援活動をどういうスキームで取り組むかというと、国連の下でPKO活動としてするべきではないでしょうか。今のPKO法案でも難民救済活動はできますが、PKO法の下では参加五要件というものがあり、武器の使用を正当防衛に限るなど、活動が非常に制約されてきます。この正当防衛では自衛隊員個人の判断でのみ武器の使用が可能で、結果的に他国の軍隊に守ってもらうことになる懸念もあり、改正の必要が生じています。  
 
 それから、自衛隊法の改正ですが、今は自衛隊が治安出動した場合でも正当防衛、緊急避難でしか対応できません。それも多数集合に限りますので、例えばゲリラが発生したときでも、多数いる時にしか使えません。しかし、ゲリラが多数集合することはほとんどありませんので、事実上、自衛隊は武器の使用が出来ないのが現状です。国内治安の援助を強化するためにも法律改正は必要だと議論が再燃しています。  
 
 さらに今回の事件が報じられた後、テロ事件は国際性を持っていることもあり、当事国の施設でもある日本の米軍基地(基地は、法律用語的には施設区域)も攻撃を受ける可能性が指摘されました。これらの基地を守るのは警察の役割です。ただ、米国側の軍隊からは「軍隊が守って欲しい」という希望もあり、自衛隊は自衛隊の基地を守るという名分のもと、自衛隊の基地と一緒にある米軍基地を守ることになりました。しかし、横田、嘉手納などは、米国単独基地なので、警察の管轄です。第一義的には警察ですが、国家公安委員会から必要性が認められた時には、自衛隊の出動が可能になるような法改正を進めています。  
 
 
自衛隊の治安出動を日本の政経中枢施設に拡大も  
 
それからあと二つほど議題に上っていることがありまして、自衛隊が守ることできる対象を米軍単独基地に拡大するなら、政経中枢基地も守れるようにしたらどうか、という議論です。政経重要施設というのは、まず、国会議事堂、それから首相官邸、皇居、もちろん原子力発電所もあります。国家公安委員会、各委員会に諮りまして判断を下すようにしてはどうか、という議論です。ところが、自民党内でも、反対がでまして、意外な印象を受けました。  
 
 先日、小泉総理が自民党総裁経験者を首相官邸に招かれまして、私も立ち会うように言われたので臨席したのですが、中曽根康弘先生、宮沢喜一先生、橋本龍太郎先生、河野洋平先生などが集まられました。中曽根先生は原案に賛成されたのですが、ほかの先生方からは反対意見が出ました。自衛隊が前面に出ることは、人民を不安にさせる、軍国主義のイメージが復活するのではないか、とりわけ沖縄に米軍単独基地を持っていることもあり、沖縄住民の感情を刺激するのではないか、というご指摘もございました。  
 
 また、第一義的には警察で、自衛隊が出動するときは、治安出動です。皇居を自衛隊が守るような事態はよほどの非常事態で、そのような機会は考えにくく、そういった規程は作らないほうがいい、というご指摘もあり、皇居、官邸、国会などは外さざるをえないかな、とも個人的には思っています。  
 
 
新規立法は憲法の範囲内で制定  
 
さて、一番注目を集めております新規立法ですが、先の湾岸危機の時に、わが国は、百三十億ドル、一ドルを百円としても一兆三千億円という巨額の資金を提供しましたが、多国籍軍に参加しなかったことで、人的貢献がなかったとされました。以前から金権主義という批判を受けておりましたが、国際社会からそのような非難に近い指摘を受けました。  
 
 ただ、今回と前回では大きな違いがあります。前回はイラクがクエートに侵攻し、クエートの主権回復のためにアメリカを中心とする二十五カ国の多国籍軍が結集し、クエートの現状回復をしたものです。しかし、今回は、国と国との戦争ではなく、国際テロです。これは前回と全く異なるケースです。  
 
 先ほども触れました先日の総裁経験者の会合で、今回の事態に対して自衛隊の海外派遣などどう対応をするかについて憲法における根拠規程に関する議論になりました。  
 
 憲法の何条に根拠をおいて行動するかの議論で、中曽根先生は「九条ではない。七十三条の二項だ。」と説明しました。七十三条は「内閣の事務」という規程で、二項は「外交関係を処理すること」です。それに対して小泉総理が九条に抵触するわけにはいかない、とおっしゃいました。大前提として憲法の枠内であることを強調されたんです。  
 
 そこで私が補足しまして「小泉総理は憲法前文を常々引用されていますよ。」と発言しました。憲法の前文の中に小泉総理が引用される部分が二つありまして、一つは自国のことだけに専念して他国を無視してはならないという部分と、国際社会において、名誉ある地位を占めたいというくだりです。また、そこには、他国のことも考える必要があると明記してあります。国際紛争を解決する手段として武力の行使は放棄する旨の憲法九条と、同盟国のアメリカが攻撃されたわけですから、国際社会の一員として自衛隊を派遣して貢献するという前文。これは真っ向から反対する趣旨ですが、両方のバランスをとりながら、我々はやれることを限界までする、と小泉総理は言われました。  
 
 今日も小泉総理と電話で意見交換をしたのですが、私は小泉総理に「今回の事件はこれから国際紛争に発展していくものだ。九条では国際紛争を解決する手段として武力行使はしないと書いてあるのだから、今回の事件と九条が無関係というわけにはいかないのではないか。」と申しました。総理は「憲法は憲法だ。我々の行動は憲法のすべてを受けたものにしたい。憲法が我々の行動を後押しする。憲法を遵守しなければいろいろな問題が発生してくる。」という会話をいたしました。  
 
 
集団的自衛権の議論も再燃  
 
今回、米国は「報復」という言葉を使っていますが、私の解釈では、これは「自衛権の発動」です。米国は攻撃、侵略を受けました。国家が自衛権を発動する最も基礎的な要件、「急迫不正の侵害」です。米国が急迫不正の侵害と認定し、この侵害に対して対抗するのが米国の個別的自衛権です。もう一つ、集団的自衛権の問題がございます。すべての主権国家が個別的自衛権と集団的自衛権の二つの自衛権を所持することは、国連憲章にも明記されています。しかし日本は憲法九条がありますので、そのような権利を持っていてもこれを行使しない、行使できないのが現状です。しかし、同盟国の米国が攻撃を受けるという事件が発生いたしました。イギリスやフランス、ドイツなどは、集団安全保障体制を北大西洋軍事同盟として持っています。ですから、自分の国と緊密な関係の同盟国家が攻撃を受ければ、自分たちが攻撃を受けていないに関わらず、ともに対抗するために武力を行使できます。日本は武力行使が出来ませんから、米国が攻撃を受けても、日本は武力を提供できませんよ、ということは九月十一日までは、みんな、何の疑問もなく受け入れていました。しかし、現在、同盟国家からは憲法を改正し、集団的自衛権を発動するべきではないか、という意見が出ています。  
 
 
自衛隊は武力行使しない後方地域支援、海外派遣を  
 
今回のテロ事件の後、小泉総理とも何度も話し合いましたが、憲法の枠内で立法措置をとります。それは自衛隊の海外派遣はしますが、海外派兵はしないということです。  
 
海外派遣は武力行使をしないということで、輸送や補給、通信など後方での支援になります。しかしながら、正面の武力動と一体化して、武力行使することは今の憲法ではできませんので、港の提供などの後方での「地域支援」という考え方でいこうと思います。前回の湾岸戦争では戦争の後、立法化するというタイムラグがありましたが、今回はそのようなタイムラグがないように、急ぎに急いで立法措置を図るという次第です。  
 
(『週刊経済』10月10日号より)
 
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