テーマ2 首相公選制

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「首相公選制」の論点


“総理大臣にふさわしい人が総理にならない”“自分達の声が政治に反映されない”との不満を背景に、最近の世論調査等では首相公選制に対する肯定的意見が多くなりました。国民が力強いリーダーを渇望していることの表われだと思います。

私は超党派議員でつくる「首相公選制を考える国会議員の会」の会長でもともとは推進派だったのですが、最近になり、制度をいじっても政治家の資質や政党の体質が変わらなければ何も解決しないのでは、と考え始めました。組織依存型政党や陳情処理型サービス政治は、限界に来ています。既存政党の行き詰まりで「政党政治」が硬直化しており、政党間の政策論争の空洞化を招いています。政策本位の政治主導と強いリーダーシップを実現することが目標であり「首相公選制」は一つの手段にすぎません。

そこで、皆さんのご意見を伺いたいのは以下の2点です。
1. 現状制度の改革で解決できる処方箋はないのか。
2. 現状制度の改革ではダメだとすると、どのような仕組みの首相公選制にすれば、現状を打破することが可能なのか。


1.現状制度の改革で解決できる処方箋はないのか?
たとえば、
イ) 内閣機能の強化
・内閣法改正で首相の権限を明確にし、官邸機能を強化する。
・官僚と与党各部会による縦割り型、部分利益の積み上げ方式を改め、首相/内閣が優先順位をつけ、政策の総合性・整合性・戦略性を確保する。
・与党の実力者全員が内閣に入り、政府・与党を名実ともに一体化させる。
「議院内閣制」が正しく機能すれば、議会多数を持つ与党が内閣を構成している以上は、本来首相は強力に政策を推進できるはず。

ロ) 首相選出プロセスの透明化
・総選挙を実質的に次期首相を選ぶ選挙とする。(選挙後の話し合いでは決めない)有権者は政党を選ぶことを通じ、党首を首相として選ぶ(間接的首相公選制)但し、完全小選挙区制に制度改革する必要あり。(現在は比例代表並立制)
・総裁/党首選挙の活性化。
・情報公開の徹底と政策論争の活性化

2.どのような仕組みの首相公選制ならば、現状を打破することが可能なのか?
首相公選制のメリットは:
・首相が政争に惑わされることはなく人事権などの権限を行使できる。
・より長期かつ選挙区の利害にとらわれない国家戦略を策定し、推進できる。
・選挙結果に対し国民が直接責任を負い、政治への参加意識も高まる。

首相公選制のデメリットは
・人気投票になり、首相の資質がない人物が選ばれる可能性がある。
(知事選における例。国政においては安全保障・外交上さらに問題が深刻となる)
・ポピュリズム、迎合型政治につながりやすい。
・君主制のように独裁政治になる危険性?
・議会との一体性がないため、大きな改革がしにくい。(米国の例)

最大の問題は、公選された首相の支持政党が国会で過半数をとれない場合(イスラエルの例)または首相と国会の意思が対立した場合に、政治が行き詰まることです。そのため、
イ) 公選された首相に国会解散権、法案拒否権などの権限を与えるのか。
ロ) 国会は首相不信任案提出権をもつのか。同時に国会も解散するのか。
ハ) 国民は首相を罷免できるのか。任期は何年で再選は何回までか。

などの点をクリアにする必要があります。